「私は、ウクライナの人々の家路を守るためにここにいる」=ゼレンシキー宇大統領、欧州議会で演説
ウクライナのゼレンシキー大統領は9日、欧州議会で演説を行い、ウクライナにとって欧州的生き方は「自分の家への道」であり、自身は今日、その道を守るためにここに来ていると発言した。
ブリュッセルを訪問したゼレンシキー大統領が欧州議会の特別会合での演説の際に発言した。ウクルインフォルムの特派員が伝えた。
ゼレンシキー氏は、「私たちが共にあり、私たちの欧州を大切にし、欧州の生き方を大切にする限り、欧州は自由であり続ける」と発言した。
同氏はまた、現代の平和な欧州は世界に対して欧州的生き方、欧州的生活様式とルールを与えていると指摘した。同氏は、それは、一人一人の人間が意味を持ち、法の支配が機能し、国が社会的となることを欲し、社会がオープンになることを欲し、多様性が価値を持ち、様々な価値が「公正な平等」を通じて団結し、国境は侵害されないが、越境は感じられず、人々は明日を信じ、自らの『明日』を守るために広場へと出る準備があり、大統領と抗議者の間にある唯一のバリアは「公正な選挙」であるというものだと説明した。
そして同氏は、「それが私たちの欧州であり、私たちのルール、私たちの生き方なのだ。ウクライナにとってそれは自分の家への道なのだ。今私は、私たちの民の家路を守るためにここにいる。全ての、様々な年齢の、様々な政治的信条の、様々な社会的地位の、様々な信仰の、様々な個人的物語を持つ人の、しかしあなた方皆と一緒に1つの欧州の歴史を持つ、ウクライナの人々の家路を守るためにだ」と強調した。
また同氏は、現在ロシアは全面戦争によってウクライナの欧州の生活への道を破滅させようとしていると指摘し、ウクライナの後には欧州連合(EU)の全ての加盟国の欧州的生活手段を破壊しようとするだろうと述べた。そして、同氏は、「私たちはそれを認めない」と強調した。
その他同氏は、ロシア政権は自国民を「武器を持つことのできる肉体」としかみなしていないと指摘した。同氏は、「このロシアの始めた全面戦争は今、欧州の一部の領土を巡ってのみ行われているのではない。その脅威は、ソ連製武器の大量の在庫とイラン政権をはじめとする他の独裁政権の武器を持った独裁者がいるということにある。この戦争を遂行できるようにするために、クレムリンは、一貫して、一歩ずつ、一年ずつ、私たちが私たちの欧州の基本として見てきたものを壊してきた。神聖な人の生活の価値は、ロシアでは完全に破壊されてしまった。そこでは、政権にとっては、クレムリンの中にいる人、その家族と財布以外は、誰一人として意味を持たない。他の者は皆、1億4000万人全員がクレムリンにとっては単なる武器を持つことのできる肉体、武器を持ってウクライナへ、戦場へ行き、他人を屈服させるか、自分が屈服するかのことができるだけの肉体なのだ」とは発言した。
また同氏は、ロシアでは現在法の支配の代わりに「暴力と服従の支配」が機能していると伝えた。
同氏は、「ロシア政権はあらゆるもの、あらゆる連帯、あらゆる多様性を嫌悪しているだけではなく、意図的によそ者嫌悪に投資し、私たちの大陸にある当然のことの一部を、1930〜40年台にあった非人間的なものに変えてしまおうとしている。しかし、それは永遠に続くだろうか? この質問は私たち皆に対するものである。答えは、『いいえ』だ。欧州である私たちは、最も現代の反欧州的な勢力から身を守っている。私たちは自衛する。私たちウクライナ人は、戦場であなた方と一緒にいるのだ」と強調した。
同氏はまた、「この歴史的な戦いにおいてウクライナを支持してくれた」欧州に対して謝意を伝えた。
同氏はまた、ウクライナがパートナーと共に勝利してはじめて、欧州の価値1つ1つが保証されるのだと強調した。
なお、9日、ゼレンシキー大統領はブリュッセルを訪問している。
写真:EU