ウクライナ政府機関、仏流通業大手「オーシャン」を「戦争支援団体」に指定
ウクライナの国家汚職防止庁(NAPC)は23日、仏流通業大手「オーシャン」(Auchan)を「国際戦争支援団体」に指定した。
NAPCがテレグラム・チャンネルで伝えた。
指定根拠には、ロシアによる対ウクライナ全面侵攻時、オーシャン社が対露事業のボイコットを行わず、同国での事業から撤退しなかったことに加え、露インサイダー、仏ル・モンド、民間調査グループ「ベリングキャット」の共同調査により、オーシャン社のロシア国内の子会社が、被占領下ウクライナに駐留するロシア軍へと商品の供給を行っていたことが判明したことが挙げられている。
その際、オーシャン社の製品は「人道支援」を装った形で供給されていた他、同社がロシア国内での動員の実施の支援も行っていたと報じられた。
ノヴィコウNAPC長官は、「オーシャンにとって、ロシアはフランスに次ぐ重要な市場だ2020年だけで、ロシアの『オーシャン』は、ロシアの予算に1億6700万ドルを支払った。記者たちの試算では、それは『Su-25』15機、戦車42両、ミサイル『カリブル』222弾、あるいは、機関銃『Ak-74』477丁の価格に匹敵する。私たちは、ロシアがこれらの資金を受け取り、それによりウクライナ国民が殺され続けることを看過できない。私たちは、いかなる企業も殺人者と協力することを恥ずかしく思うことを望んでいる。評判が機能すべきである。そのため、私たちは、オーシャン社を国際戦争支援団体リストに加えた」と説明した。
これに先立ち、ウクライナ政府は、昨年2月24日以降繰り返し、国際企業に対して、ロシア市場からの撤退を呼びかけている。ウェブサイト「リーブ・ロシア」などでは、日本企業含む、国際企業の内、ロシア市場からの事業撤退を決めた企業や、事業を継続している企業の一覧を調べることができる。