ウクライナ内閣、汚職捜査機関の新トップにクリヴォノス氏を任命

ウクライナの閣僚会議(内閣)は6日、政権高官の汚職犯罪の捜査に特化した法執行機関「国家汚職対策局(NABU)」の新たな局長に、セメン・クリヴォノス氏を任命した。

内閣の臨時閣議にて決定が下された

閣議では、これに先立って行われた選考委員会の選考プロセスを通過した3名の候補者の内、シュミハリ首相がクリヴォノス氏をNABU局長に推薦し、内閣がこれを支持した。

シュミハリ氏は、選考を通過した3名はいずれも局長を務められる専門性を備えた人物であるとし、クリヴォノス氏に対して、残りの2名、セルヒー・フピャク氏とロマン・オシプチューク氏もNABUの幹部職に任命することを検討するよう提案した。

これに先立ち、2022年年末、NABU局長の選考が開始された。78人が応募を行い、書類選考を74名が通過した。

12月29、30日に法律知識を問う試験が行われ、同結果、22名の候補者が試験を通過した。

2023年2月25日、委員会が各候補の能力を問う面接を行い、11名が通過。

3月4日、さらに委員会が公正性を問う面接を行い、候補者を3名に絞った上で、閣僚会議に任命のために提案していた。

選考委員会により提案されていたのは、セルヒー・フピャクNABU上級捜査官、セメン・クリヴォノス国家建設・都市建設監査庁長官、ロマン・オシプチュークNABU内部管理局局長の3名。

これに先立ち、アルテム・シートニクNABU初代局長の任期が2022年4月16日に終了していた。

NABU局長職は、選考委員会が選考を行った上で、閣僚会議が任命を行う。

なお、2022年6月、欧州委員会は、ウクライナへの欧州連合(EU)加盟候補国地位付与の勧告に並び、今後ウクライナにより行われる課題のリストを公開していた。欧州委員会は、その際特に、法の支配強化と汚職対策の分野の課題を提示しており、その中には新しいNABU局長の選考と任命プロセスの終了も含まれていた。

2023年2月2日、ヴァールヘイ欧州委員(欧州近隣政策・拡大交渉担当)がウクライナ国内改革に関する問題のある分野を挙げた際にも、同委員はNABU新局長の選出を終了させることを呼びかけていた