世界がウクライナの勝利を信じることがウクライナにとって不可欠=ドゥダ・ポーランド大統領

ポーランドのドゥダ大統領は5日、現在自由世界がウクライナの勝利を信じることがウクライナにとって不可欠となっていると述べ、ポーランドはウクライナの勝利を信じていると発言した。

ドゥダ大統領が、ゼレンシキー宇大統領のワルシャワを訪問時に、「ワルシャワ王宮」の広場でウクライナ国民とポーランド国民に対して演説を行なった。

ドゥダ氏は、演説冒頭でゼレンシキー大統領のリーダーシップを讃えて、同大統領を「自由世界の英雄」と形容し、さらに「独立のために英雄的な戦いを行っている偉大なウクライナの人々」への敬意を表明した。

また同氏は、「ウクライナは世界中に、隣国の力、はるかに大きい国、理論的にははるかに強力な国に対峙できることを示した。プーチンは、自らの戦略的目的を何1つ達成できなかったし、ロシアは甚大な損失を被った。それは、ウクライナ、ウクライナ社会、ウクライナ軍の巨大な成果である」と発言した。

さらに同氏は、戦争が終結するにはまだ遠く、ウクライナはさらなる支援と現代的装備の緊急提供を必要としていると指摘した。同氏は、「ポーランドは、その支援のリーダーであったし、今後もリーダーであり続ける。(中略)待っている時間はない。正にそのために私たちは速やかにウクライナに緊急に戦車、装甲輸送車、自走榴弾砲を供給しているのであり、過去数日は航空機も供給した。そして、私たちはまた、他の国にも模範を示しているのであり、しばしば彼らの武器提供に関する抵抗も克服している」と発言した。

同氏は、現在ウクライナ人は自国の独立だけではなく、欧州全体の安全のために戦っているのだとし、「自由で独立した国の支援は、私たちの国において、これまでも今も今後も政治性を省いた問題であり、政権を有しているのが左派だろうが右派だろうが関係ない」と明言した。

同時に同氏は、「多くの国で、戦争400日が経過した後、疲れ、消耗、失意が生じている。ロシアのプロパガンダや偽情報で煽られた『どのような代償を払ってでもできるだけ早く停戦に合意すべき』という誘惑が生じている。それは、ロシアとの間の、ウクライナにとって不利な平和の締結であり、実質的に、ロシアに今後もウクライナの占領地を支配させるものだ」と指摘した。

そして同氏は、ポーランドはそのような案には決して同意しないとし、この戦争をどのように解決するかを決められるのはウクライナだけだと強調した。同氏は、「ウクライナだけが自らの主権のことを決める権利、どのような根拠で和平交渉を行うのかを決める権利を持っているのだ。世界の首脳がロシアに要求しなければいけない唯一の条件は、ウクライナ領からの軍の完全撤退である。国際的に認められたウクライナ国境の外への軍の完全撤退だ」と発言した。

また同氏は、ウクライナの人々の頭越しに協議したり決定したりすることを話してはいけないと強調した。そして同氏は、「世界で誰かが私との間で、そのようなことを話し始めたら、私はこう返答する。『ところで、あなたはブチャ、ボロジャンカ、イルピンへは行ったか? 行っていない? なら、そこへ行け。そして、身近な人を殺され、拷問され、強姦された人々に対して、彼らの目をまっすぐ見て、彼らの身近な人々の犠牲や、彼らの苦しみに意味はない、全て以前と同じようになる、と言いたまえ。だから私は、以前と同じようになってはいけないし、ならない、と述べているのだ」と発言した。

そして同氏は、もう一度、疑うことなくウクライナを武器で支え続けなければいけないと強調し、さらに「現在ウクライナには、自由世界の全てがウクライナの勝利を信じることが圧倒的に不可欠となっている。私たち、ポーランド人は、ウクライナがロシアの侵略から身を守り、何百万のウクライナ国民が自分の家へ帰れるようになることを信じている。私たち、西側は、彼らの家の再建を支援する。私たちは、あなたたちと、あなたたちの勝利を信じている!」と強調した。

なお、5日、ゼレンシキー宇大統領は、ポーランド首都ワルシャワを訪問し、ドゥダ・ポーランド大統領と会談した他、ワルシャワ市内でウクライナ国民やポーランド国民に対してスピーチを行った