クリミア脱占領に代替はない=ゼレンシキー宇大統領
ウクライナのゼレンシキー大統領は7日、2014年からロシアが占領するウクライナ領クリミアの解放には代替はないと発言した。
ゼレンシキー大統領がイスラム教徒のウクライナ軍人、外交団代表は、クリミア・タタール民族代議機関「メジュリス」代表者の参加するウクライナにおける初の公式なイフタル行事の際に演説を行った。ウクルインフォルムの記者が伝えた。
ゼレンシキー氏は、「クリミアの大地では現在、ロシアの三色旗の下で悪、侮辱、弾圧、殺人、戦争がはびこっている。しかし、悪の道が始まったところにて、私たちのことを勝利が、悪への勝利が待っているのだ。私はそう確信している。クリミアの脱占領には代替はない。それはウクライナにとってだけではなく、世界中にとってもそうである。そして、私はそのことを確信している」と強調した。
また同氏は、クリミアの占領、クリミアにおけるウクライナ人とクリミア・タタール人の自由に対する弾圧、クリミアのイスラム教徒に対する弾圧にて、ロシアによるウクライナや欧州の人々を奴隷にしようとする試みが始まったのだと発言した。
そして同氏は、クリミア半島の解放は、諸条約や国連憲章に基づいた世界の秩序にとって必要なのだとし、「ロシアが広めようとしている殺人者、強姦者、強盗の犯罪的習慣に基づいた秩序」にとってではないと指摘した。
同時に同氏は、世界中の国々にウクライナの領土一体性と主権を尊重するよう呼びかけた。同氏は、「私たちが欧州やラテンアメリカの全ての国々の領土一体性を尊重しているように、私たちは、ウクライナ全土の領土一体性への敬意を公正に期待している。ポリッシャ地方から黒海とアゾフ海の沿岸まで、北部の町からセヴァストーポリとケルチまで。私たちの東部、南部全てだ。私たちの自治体1つ1つ、私たちの人1人1人が同じように生きるに値し、自由に暮らすに値するのである」と発言した。
さらに同氏は、ウクライナがクリミアへ戻った時、世界には「平穏」が戻るのだとし、なぜなら、その時侵略者が負けるからだと発言した。そして同氏は、「それ以外のものは全てロシアの戦いへの渇望を掻き立てるだけである。侵略者には、誰であっても人々の生活を壊すことも、人々から何かを奪うことも、世界に悪と破壊を広めることも許されないのだということを、感じさせようではないか」と指摘した。
これに先立ち、ブラジルのルーラ大統領がウクライナが「平穏のために」クリミアを断念することを提案していた。
これを受けて、7日、ウクライナ外務省は、ウクライナに対してクリミアを断念することを提案したルーラ・ブラジル大統領に対して、ウクライナは自国領を交渉対象にしないと反論していた。