ゼレンシキー宇大統領、ウクライナ軍人斬首動画につき「それはロシアそのものを映す動画」

動画

ウクライナのゼレンシキー大統領は12日、インターネット上にアップロードされたウクライナ軍人が斬首される動画は、世界が見なければならないものだとし、これに対して世界の首脳が行動しないことは、誰にも理解されないだろうと発言した。

ゼレンシキー大統領がツイッター・アカウントにメッセージ動画を公開した

ゼレンシキー氏は、「世界には、無視していけないものがある。そのけだものたちがどれだけ簡単に殺人をするか、である。そのウクライナ人捕虜の処刑の動画は、世界が目にしなければならない。それは、ロシアそのものを映す動画だ。この生き物たちは何なのだろうか? 彼らにとっては人間、息子、兄弟、夫、誰かにとっての(大切な)人というものがいないのだ。その動画は、そのこと、誰かの命を破壊するという習慣を新しい規範にしようとしているロシアを映すものだ」と発言した。

同氏はまた、このような処刑は偶然のものではないとし、過去にブチャなど、他の場所で何千回もあったことだと強調した。

その上で同氏は、世界の人々に対して、この恐ろしい犯罪に反応するよう呼びかけた。同氏は、「一人一人が反応すべきだ。それが忘れられることや時間が経つのを待つのではなく。私たちは、何も忘れるつもりはないし、殺人者を許したりするつもりはない。あらゆることに法の責任が生じる。首脳たちが反応しないことは、誰も理解しないだろう。今行動しなければならない」と発言した。

さらに同氏は、ウクライナの人々見ながら前線に最大限集中し、占領者をウクライナから追放するために全力で支援をしなければならないと強調した。同氏は、「私たちは、占領者を私たちの大地から追い出すための支援をしなければならない。主要な目的は、勝利することだ。ウクライナにおける主要な目的は、勝利するための強さだ。占領者に敗北を、殺人者に判決を、悪の国家には法廷を。このロシアの恐怖に命を奪われた全ての人に永遠の記憶あれ。この悪と戦う全ての人に栄光あれ」と伝えた。

これに先立ち、先週、インターネット上にウクライナ軍人が斬首された場面のように見える動画が2つアップロードされていた。

米CNNは、11日、「これらの動画は、別々の出来事のように見える。1つは、ごく最近に撮られたもので、もう1つは地面に見られる葉の量から、夏の間に撮られたものに見える」と伝えている

最初の動画は、4月8日にソーシャルメディア上の親露チャンネルに公開されたという。動画は、露傭兵グループ「ヴァグネル」の傭兵によって撮られたと見られるもので、破壊された軍用車の横で2名のウクライナ兵の斬首された死体が横たわっているように見える。また、死んだ兵士からは、手も切り落とされているように見える。ロシアのアカウントは、これら動画がバフムート付近で撮影されたものだと主張している。

2つ目の動画は、ツイッターに投稿されたもので、激しくぼかしが入れてあるもの。地面に植物が多いことから、夏に撮影されたものに見える。同動画では、ロシア戦闘員がナイフを使ってウクライナ兵の頭を切り落とす様子が映し出されている。CNNは、「映像の冒頭での声は、残虐な攻撃が始まった時には犠牲者はまだ生きていたかもしれないことを示唆している」と指摘している。

ウクライナのザリウナ大統領府長官顧問は、ウクライナ軍人が斬首される動画がインターネット上に公開されたのは、視聴者を恐れさせることを目的とする心理作戦だろうとコメントした。

写真:大統領府