クレーバ宇外相、ウクライナ軍人斬首動画につき「ロシアが国連安保理の議長をしているのは馬鹿げている」

ウクライナのクレーバ外相は12日、ロシア軍人がウクライナ捕虜に対して蛮行を働いている最中に国連安全保障理事会でロシアが議長を担っているのは馬鹿げていると指摘した。

クレーバ外相がツイッター・アカウントに書き込んだ

クレーバ氏は、「ロシア部隊がウクライナの捕虜を斬首するおぞましい動画がオンラインを駆け巡っている。ISISより酷いロシアが国連安保理の議長をしているのは馬鹿げている。露テロリストは、ウクライナと国連から追放され、その罪の責任が追及されねばならない」と書き込んだ。

その他、ウクライナ国防省傘下の情報総局に所属し、捕虜扱い問題調整本部報道・親族連携作業部会代表を務めるユソウ氏は12日のテレビ番組「統一ニュース」出演時に、ロシアの同動画公開の意図に関する見解を述べた。

ユソウ氏は、類似のロシア軍人による蛮行を写した動画は、およそ数週間に1回のペースで現れていることから、それはロシアの意図的な意図的な政策だろうとの見方を示した。そして同氏は、「その政策の目的は、当然、ウクライナの防衛・安全保障戦力の士気を下げて、混乱を広める試みである。彼らはそれに成功しないが。同時に、自陣側戦闘員も怖れさせるという目的もある。ウクライナ側で拘束されたら、お前たちも私たちがウクライナ捕虜に行っていることと同じことをされるのだから、投降など考えないことだ、というようなことだ」と発言した。

同氏はまた、敵がどんなに不快であろうとも、ウクライナは民主国家であり続けており、ジュネーブ条約を守っていると指摘した。

同時に同氏は、実際ロシア側戦闘員は以前よりも活発にウクライナ側に連絡し、投降しようとしていると述べた。同氏は、ロシア戦闘員投降プロジェクト「生きたい」へは、3月を通じて3000人以上のロシア軍人が投降目的に連絡をしてきたと指摘した。そして、同氏は、「それを背景に、そのプロセスを不可能とするために、督戦隊とロシア社会内の弾圧と並び、ロシア軍の中では、その手段(編集注:露軍人を怯えさせる行為)が用いられている」と発言した。

また記者からの質問に答える形で、ユソウ氏は、現在動画の中身、場所、人物の特定などの詳細な確認作業が行われているところだと伝えた。

その際同氏は、本件は占領国家による違法な処刑であり、本件はあらゆる戦争遂行のルールと規範へのさらなる違反を示すものだと指摘した。

これに先立ち、先週、インターネット上にウクライナ軍人が斬首された場面のように見える動画が2つアップロードされていた

米CNNは、11日、「これらの動画は、別々の出来事のように見える。1つは、ごく最近に撮られたもので、もう1つは地面に見られる葉の量から、夏の間に撮られたものに見える」と伝えている。

最初の動画は、4月8日にソーシャルメディア上の親露チャンネルに公開されたという。動画は、露傭兵グループ「ヴァグネル」の傭兵によって撮られたと見られるもので、破壊された軍用車の横で2名のウクライナ兵の斬首された死体が横たわっているように見える。また、死んだ兵士からは、手も切り落とされているように見える。ロシアのアカウントは、これら動画がバフムート付近で撮影されたものだと主張している。

2つ目の動画は、ツイッターに投稿されたもので、激しくぼかしが入れてあるもの。地面に植物が多いことから、夏に撮影されたものに見える。同動画では、ロシア戦闘員がナイフを使ってウクライナ兵の頭を切り落とす様子が映し出されている。CNNは、「映像の冒頭での声は、残虐な攻撃が始まった時には犠牲者はまだ生きていたかもしれないことを示唆している」と指摘している。

ゼレンシキー大統領は12日、インターネット上にアップロードされたウクライナ軍人が斬首される動画は、世界が見なければならないものだとし、これに対して世界の首脳が行動しないことは、誰にも理解されないだろうと発言した