ウクライナ外務省、インドネシア提案の和平計画につき「機能しない」とコメント
ウクライナ外務省は3日、同日インドネシア政府が提案した「和平計画」は機能しないとコメントした上で、同国に対してウクライナの和平案「平和の公式」の実現に加わるよう呼びかけた。
ニコレンコ外務報道官がフェイスブック・アカウントに書き込んだ。
ニコレンコ氏はまず、インドネシアは東南アジアにおける重要な国であり、現在ASEANの議長国だと喚起した。また同氏は、ジョコウィ大統領はロシアの全面侵略開始後にアジアで最初にキーウを訪問し、侵略の傷跡を直接目にした首脳であると指摘した。
そして同氏は、「私たちは、インドネシアが、明らかに自らの歴史から結論を出して、ウクライナにおける平和の回復の問題に払っている注意を評価している」と伝えた。
同時に同氏は、ウクライナとロシアの間に住民投票を行うための「係争地」はないと指摘し、ロシアは侵略によりクリミアとドネツィク州、ルハンシク州、ザポリッジャ州、ヘルソン州の一部を奪ったのであり、そのことは国連の公式文書にて確認されていると喚起した。
さらに同氏は、ロシア軍は制圧したウクライナ領にて戦争犯罪や人道に対する罪、ジェノサイドを行っていると伝えた上で、「ロシアはウクライナ領から出ていかねばならず、ウクライナは国際的に認められた国境内で領土一体性を回復せねばならない。代替のシナリオはあり得ない」と強調した。
そして同氏は、インドネシアが提案した停戦、15キロメートルの戦力引き離し、非軍事化圏の設置は機能しないと指摘した。
同氏は、現在ロシアはウクライナの反転攻勢をあらゆる手段で失敗させようとしていると述べ、ロシア軍のウクライナ領からの撤退のない停戦はロシア軍の時間稼ぎ、再編、制圧した領土での強化、さらなる侵略のための戦力増強を可能とするものだと説明した。
その上で同氏は、「ウクライナにおける永続する平和とは、ウクライナ領をロシアの占領から解放することである。ヴォロディーミル・ゼレンシキー宇大統領の『平和の公式』もそれを目的としている。私たちは、インドネシアに対して、その積極的な実現へと参加するよう招待する」と伝えた。
これに先立ち、インドネシアのプラボウォ国防相が3日、即時停戦と現在の衝突ライン沿いの非軍事化圏設置などからなる独自の「和平計画」なるものを提案していた。