ラマポーザ南ア大統領、露宇戦争の10項目和平計画を提示 ゼレンシキー宇大統領はウクライナの和平案への参加を呼びかけ

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南アフリカ共和国のラマポーザ大統領は16日、訪問中のキーウにて、アフリカ7か国によるロシア・ウクライナ戦争に関する10項目の和平計画を発表した。

ラマポーザ大統領がゼレンシキー宇大統領およびその他アフリカ首脳・代表者との共同記者会見時に発表した。ウクルインフォルムの記者が伝えた。

ラマポーザ氏は、ゼレンシキー大統領に対して、アフリカ7か国代表者が平和達成のミッションを持ってキーウを訪れられたことにつき謝意を伝えた。

また同氏は、「これは歴史的な平和達成を目的としたミッションだ。それは10の基本項目からなる。何よりまず、私たちは今日、ゼレンシキー大統領の話を注意深く聞かねばならないし、明日はプーチン大統領の話を聞かねばならない」と発言した。

同氏は、ゼレンシキー氏との会談時、ゼレンシキー氏の提案する「平和の公式」についても話があったと伝えた。そして、同氏は、「私たちは、プーチン大統領に対しても彼の平和への道の見方について問いたい」と発言した。

そして同氏は、自身の提案(ミッション)について、「私たちがここへと持ってきたミッションの基本要素は、この戦争は解決せねばならないということと、平和は協議、外交的手段によって達成されねばならないということにある。私たちは、平和に向かって進まねばならないと確信している。なぜなら、全ての戦争はいつか終わるからだ。私たちは、この戦争はできるだけ早く終わらねばならないと信じている」と発言した。

続けて同氏は、和平案の第3の要素は、紛争の沈静化だと述べた。そして、第4の要素は、国連憲章に従った国家と民の主権だとし、「それは尊重せねばならない」と発言した。

さらに同氏は、第5の要素は、全ての国の安全の保証の必要性だと述べた。

第6の要素として同氏は、両国が穀物と肥料の流れを確保することが必要だと述べた。その際同氏は、「私たちのここへの訪問の理由の1つは、アフリカもまたこの戦争の悪影響を感じていることにある。私たちの穀物価格は上がり、私たちのところでは肥料不足が生じており、その価格は上がっている。私たち、アフリカの国々は、ここから数千キロメートル離れたところにあるが、しかし、私たちはこの戦争の影響を感じている。穀物や肥料については、それらが市場に流入するように、流通網を開かねばならない」と発言した。

続けて同氏は、第7の要素として、人道問題を挙げ、「戦争の犠牲者となった人たち、苦しんでいる人たちへの人道的サポートが必要だ。私たちは、その人道支援を支持しており、そのような支援は、この戦争の真の犠牲者に与えられるべきだと思っている」と発言した。

さらに同氏は、第8の要素は、被拘束者の交換だとし、それは「児童の家への帰還」も含まねばならないと強調した。

同氏は、第9項目は戦後復興であり、第10項目はアフリカ諸国とのより良い連携を挙げた。

その上で同氏は、「私たちは、今日の私たちの訪問、明日のロシアへの訪問が、それを終わらせるような速やかな結果をもたらすとは決して思っていない。しかし、私たちは、平和の決定を模索することに加わる準備がある。私たちは、その方向でのさらなる方策の不可欠さに関してゼレンシキー大統領がオープンであることを歓迎する。私たち、アフリカ諸国のリーダーは、更なる参加への準備があると発言する」と述べた。

これに対して、ゼレンシキー大統領は、ウクライナ領にロシア軍がいる限りは、ロシアとの外交には到達しないと発言した。

ゼレンシキー氏は、「ロシアの首脳陣はどのような協議も、戦力増強と侵略拡大の機会として受け止めている。ウクライナはそのことにつきすでに確信している。今日、私は、会談時、占領者が私たちの大地にいる限り、ロシアとのどのような協議であれ、それは戦争の凍結、全ての凍結、痛み、苦しみの凍結になるのだということ、繰り返し明確に述べた」と発言した。

同氏はまた、ロシアは長期にわたってミンスク諸合意で皆を騙そうとしてきたのであり、今も「古い原始的な騙しの戦術」に戻ろうとしているが、しかし、ロシアはもはや世界をうまく騙すことはできないし、ウクライナを騙すことも不可能だと強調した。

そして同氏は、「ロシアのテロを止めること、ロシア軍全てをウクライナ領土全てから撤退させることが、この戦争を止められる唯一のことである。ウクライナと全世界は、凍結した紛争も、小さく燃える戦争も必要ない。必要なのは平和だ」と述べた上で、平和とは、ロシア軍がウクライナ領から真に撤退することだと補足した。

その上で同氏は、アフリカ諸国に対して、ウクライナが提案している和平案「平和の公式」に基づく「平和サミット」への参加を呼びかけた。

同氏は、「私は、国の領土一体性の原則と侵略からのネイションの保護の原則への支持につき、会合参加者に感謝している。そして、私は今日、平和の公式の具体的項目に関する私たちの活動の展望を目にした。もちろん、私は、アフリカ諸国を私たちの準備しているグローバル平和サミットへの参加に招待する」と発言した。

また同氏は、様々な大陸の様々な国の首脳の提案は、ウクライナの平和の公式に基づいた基本にとって、非常に重要だと発言した。同氏は、グローバル平和サミットにできるだけ多くの国が参加すること、そのサミットができるだけ早く組織できることを望んでいるとしつつ、同時に、それは容易ではないと述べた。

加えて同氏は、アフリカの国々と協力できる項目もあると述べ、さらに将来「ウクライナ・アフリカ首脳会議」を開催することを期待していると発言した。

同氏は、「私は、その首脳会議をとても開催したと思っており、今日も再びその話をした。ウクライナ・アフリカ(首脳会議)だ。私は、アフリカの国々は知るべきだと思うし、私たちは直接対話すべきだと率直に思っている」と強調した。

なお、同日、アスマニ・コモロ連合大統領、ラマポーザ南アフリカ共和国大統領、サル・セネガル共和国大統領、ヒチレマ・ザンビア共和国大統領、マドブーリー・エジプト首相、並びに、コンゴ共和国大統領特別代表とウガンダ共和国大統領特別代表がキーウ州とキーウ市を訪れた。アフリカ代表団は、ゼレンシキーとの会談前には、ブチャにてロシア軍に惨殺された市民の追悼を行っている