ウクライナ大統領代表部、クリミア解放後の10の基本方策を発表

クリミア自治共和国ウクライナ大統領代表部は20日、クリミアが解放された後に実施される10の基本方策を発表した。

大統領代表部広報室が公表した

発表には、2022年9月、代表部は被占領地の再統合問題を扱う国家機関、市民団体、専門家と共同で、クリミア解放直後の同地の効果的な再統合に必要な優先的方策の策定を始めたと書かれている。

この作業により、分析報告書「脱占領後のクリミア 国家の優先的方策」が作成され、これがウクライナ大統領府や閣僚会議(内閣)、中央政権機関、保安庁(SBU)、検事総局、司法機関へと送付されたという。現在、この報告書に対して提案が出されており、追加作業が行われていると書かれている。

代表部は、これら作業や、2021年3月24日付クリミア脱占領・再統合戦略に基づいたクリミア半島脱占領後の基本方策をこの度公開すると伝えている。

公開された10の基本方策は以下のとおり。

1:クリミア半島におけるウクライナ政権の回復。ウクライナは臨時国家機関から、軍行政府、軍・文民行政府、に至るまで行政府、地方自治体といった公的政権の段階的回復と、国際基準に従った選挙の組織と実施を保障する。

2:ウクライナ国民の文書作成(被占領下で失われた、あるいは作成されていない身分証明書、生存証明書などの作成)。

3:クリミアにおける司法の回復保障。国際犯罪、国家安全保障の基本に対する犯罪、特に意図的にウクライナ領の占領を促した罪の責任追及。

4:責任追及確立と特定職業就任の制限。国家は、一時的被占領地に居住していたというだけでウクライナ国民の責任を追及することは目的にしておらず、公正な決定のために個々の活動が個別に分析される。

5:ビジネスの回帰

6:観光の回復

7:インフラ問題対応。ウクライナはインフラの状態を評価し、国家・公共資産のリスト化を行い、損失を分析し、ロシア連邦住民や占領当局が建設した建物の今後の扱いを決める。クリミア橋は解体される。

8:人文面の再統合。ウクライナはウクライナのメディア空間、文化・教育施設、市民社会機構、宗教コミュニティの自由な発展の回復を保障する。

9:クリミア・タタール民族をはじめとする先住民の権利の回復。ウクライナはクリミア・タタール民族をはじめとする先住民のアイデンティティを支援、保存、発展させ、共産主義・全体主義体制が実施したクリミア・タタール人に対するジェノサイドと一時的被占領下に占領国・侵略国ロシアの弾圧政策の被害を克服するための方策を実施していく。

10:認知面の脱占領。ウクライナはクリミア住民をウクライナの社会・政治・文化空間へと再統合するために、社会・心理面の集中的作業を目的とする包括的方策を実施していく。