露占拠のザポリッジャ原発敷地内に地雷は設置されていた=IAEA報告書
国際原子力機関(IAEA)は、1週間前にグロッシーIAEA事務局長がウクライナ南部のロシアが占拠するザポリッジャ原発を訪れた時には地雷は確認されなかったが、同時にIAEAは以前報告した通り、同発電所の外側と発電所内の特定の場所に地雷が設置されていたことは把握していると発表した。
IAEAの21日付報告書に書かれている。
報告書には、「IAEAは、冷却池近くに地雷が設置されたという報告を把握している。事務局長の訪問(編集注:6月15日)の際には、冷却池含め同地に地雷は観察されなかった。他方、IAEAは、以前にも報告したように、原発周辺の外側に地雷が設置されていたこと、また発電所内部の特定の場所に地雷が設置されていたことを把握しており、発電所にいる保安人員は防衛目的のものだと説明していた」と書かれている。
また、グロッシー事務局長は、原発のいかなる爆発物の設置も安全基準には沿っていないが、施設の主な安全機能には大きな影響はないとし、「私たちは大きな注意を持ってこの問題を追っている」と伝えた。
同時にグロッシー氏は、ザポリッジャ原発の原子力の安全・セキュリティの状況は「極めて脆弱」だとし、カホウカ貯水池の喪失は、地域全体の大惨事であり、この大きな原発にとって深刻な困難を加えることになった。現在全ての当事者は、かつてないほどに、IAEAの原子力事故を防ぐための基本原則を完全に遵守しなければならなくなっている。私たちは、原子力セキュリティを確保することに役立つ努力を活発化し、同時に、別の手段で被害を受けた地域への支援を提供を行う」と伝えた。
なお、22日、ウクライナのゼレンシキー大統領は、ロシア連邦がウクライナ南部で占拠するザポリッジャ原子力発電所にて放射性物質流出を目的とするテロ行為を行うことを検討しており、すでに実施の準備ができていると発言していた。