ゼレンシキー宇大統領、外国語で教育を行う学校のウクライナ語への移行を1年延期する法律に署名
ウクライナのゼレンシキー大統領は1日、欧州連合(EU)加盟国の言語で教育が行われている学校の学習言語をウクライナ語に移行する時期を2024年9月1日に延期する法律に署名した。
ジェレズニャク最高会議(国会)野党会派「声党」議員がテレグラム・チャンネルにて報告した。
ジェレズニャク氏は、「(EU加盟国の1つの言語で学習が行われている)学校のウクライナ語への以降を1年間、2024年9月1日まで延期する(編集注:法律)第9332が署名された」と報告した。
なお、2017年に発効したいわゆる「教育法」は、初等中等教育機関を12年間とし、また初等・中等教育におけるウクライナ語の役割を向上することを目的とし、これら教育過程の言語をウクライナ語とすることを基本としつつ、複数の分野では2つ以上の言語(ウクライナ語、英語、その他EU公用語)で教えることができると定めていた。
今回の法案の説明文によれば、ウクライナの民族マイノリティーに属し、その使用言語がEU公式言語であり、中等教育の学習を2018年9月1日までに当該民族マイノリティーの言語で始めていた人は、2023年9月1日までではなく、2024年9月1日までは、徐々にウクライナ語で学習される科目を増加しつつも、今回の法律により存在するルールに従って(編集注:EU公用語での)教育を受け続けることができると書かれている。
なお、これに先立ち、ウクライナ最高会議が採択した「教育法」を巡り、ハンガリー政府が同法第7条の教育言語に関する条項を問題視し続けてきた。ハンガリー政府は、この同法の規定がハンガリー系マイノリティーの権利を侵害しているとして反発。ハンガリーは、同法改正などを求め、ウクライナとNATO加盟国の複数公式会合の開催を妨害していた。ウクライナ側はこれに反論しており、数年にわたり本件につき両国間の協議が行われている。