英国、ウクライナ児童の連れ去り等に関与したロシア国民14名に制裁発動

英国政府は17日、ロシア政権によるウクライナのアイデンティティ破壊を目的とするウクライナ児童の連れ去りなどに関与したロシア国民14名に対して制裁を発動した。

英国政府広報室が伝えた

クレバリー英外相は、「私たちは、おぞましい児童の強制追放プログラムとプーチンの手下にが撒き散らす憎悪に満ちたプロパガンダの中に、プーチンによる、ウクライナを地図上から消し去るという真の意図を見ている。今回の制裁は、ウクライナが破壊され、同国の民族アイデンティティが消え去り、その未来も消し去られることを見ようとしている人々を含む、プーチン政権を支える人々の責任を問うものだ」と説明した。

今回の制裁リストには、ウクライナ児童の強制追放に関与した11名を含む、14名のロシア国民が含まれた。その中には、モスクワ州児童問題全権のクセーニヤ・ミショノヴァ氏や、セルゲイ・クラフツォフ露教育相も加えられている。

英国は、これらの人物は、ウクライナの文化・民族アイデンティティを抹消することを目的とするロシアの追放プログラムに加担した者たちだと説明した。

その際、ウクライナ児童1万9000人以上が強制的にロシアあるいは一時的にロシアが支配する地域に追放されたことが喚起された。そして、多くの子どもは、違法占領下クリミアやロシア領内において再教育キャンプに入れられ、ロシア志向の学術、文化、愛国、軍事面での教育が施されていると説明されている。

さらに発表では、ロシアによるウクライナへの全面侵攻開始以降、これまでに1600以上の個人・法人が制裁対象となっており、その中には、1兆ポンド相当の世界資産を保有する29の銀行、1450億ポンド以上の純資産を持つ130以上のオリガルヒ(大富豪)、200億ポンド以上相当の英国・ロシア貿易が含まれると書かれている。

これに先立ち、3月17日、国際刑事裁判所(ICC)は17日、ロシア連邦のウラジーミル・プーチン大統領と同国のマリヤ・リヴォヴァ・ベロヴァ児童問題露大統領全権の逮捕状を発出していた。その際、ICCは、プーチン氏とリヴォヴァ=ベロヴァ児童問題露大統領全権には、少なくとも2022年2月24日以降、ウクライナの占領地から、子どもをはじめ、住民の不法追放と不法移送という戦争犯罪の容疑があると伝えている。