オデーサ港湾の6万トンの穀物に被害 EU上級代表「世界の食糧危機をもたらす攻撃」
過去3日間続いているロシア軍によるウクライナ南部オデーサの港湾インフラを狙った攻撃と穀物備蓄の破壊につき、欧州連合(EU)のボレル上級代表は、世界にて大規模な食糧危機を引き起こす暴挙だと指摘した。
ボレルEU上級代表がブリュッセルにてEU外務理事会開始前に発言した。ウクルインフォルムの特派員が伝えた。
ボレル氏は、「今日、当然、私たちはウクライナ情勢について協議を行う。クレーバ氏(ウクライナ外相)も一緒だ(編集注:クレーバ外相はオンラインで参加)。ロシアはすでに三夜連続でオデーサのあらゆる港湾インフラを爆撃し、破壊し、穀物を消し去っている。6万トン以上の穀物が焼き払われた。よって、彼ら(ロシア)は、ウクライナからの穀物輸出に関する穀物合意から離脱しただけでなく、その穀物を焼き払っているのだ」と発言した。
同氏はまた、オデーサの港湾インフラに対する大規模な攻撃は民間人の犠牲者を生み出すだけでなく、穀物倉庫を著しく破壊していると伝えた。そして、同氏は、ロシアのその暴挙は、今日のEU理事会の際に考慮されるとし、欧州の政府関係者はクレーバ宇外相との対話の際に更なる情報を受け取れることを期待していると述べた。
さらに同氏は、「私たちがすでに知っていることは、そのような行為は世界での大規模な食糧危機を生み出すということだ。その穀物は、倉庫に閉じ込められていただけでなく、消し去られているのだ。それはつまり、世界で食糧不足、穀物不足が生じるということである」と強調した。
加えて同氏は、同日EUの閣僚はクレーバ外相とともに、EUからのウクライナへの安全保障分野の長期的なコミットメントと保証を含め、ウクライナをどのように支え続けるかにつき協議を行うと伝えた。
同氏は、「それは、欧州平和ファシリティ(EPF)のリソースを増やすことを意味する。私たちは、今後数年間のウクライナへの財政支援確保を目的とした計画を大きな金額とともに紹介した。私は、閣僚たちがそれを支持することを期待する。私は、その数字を今は述べたくない。なぜなら、まずは閣僚たちの政治的同意を得たいからだ。しかし、私たちがウクライナ(の支援)へとさらに関与しなければならないこと、安定した手段を得なければならないことは明白だ。なぜなら、ウクライナは支援を一月単位で必要としているのではなく、長期展望での長続きする構造的支援を必要としているのだから」と発言した。
なお、ロシア軍は、過去数日オデーサと同市の港湾インフラへの攻撃を続けている。19日のミサイル攻撃では、6万トン以上の穀物が被害を受けたことが発表されている。
写真:インフラ省