「ロシアは今の形では存在できない」=ポドリャク宇大統領府長官顧問

ウクライナのポドリャク大統領府長官顧問は、西側の国々はプーチン露政権を人工的に存続させようとすべきではないとの見方を示した。

ポドリャク氏がアトランティック・カウンシル発行の「ウクライナ・アラート」におけるインタビューの際に発言した。ウクライナ大統領府広報室が伝えた

ポドリャク氏は、西側のパートナーがロシア崩壊の可能性を恐れて、プーチン政権を人工的に存続させようと試みる可能性を警告した。

同氏はまた、ロシアが完全に消滅することはないと述べつつ、「しかし、同国が現在の形で存在することができないことは、皆にとってはっきりさせなければならない」と強調した。

さらに同氏は、ロシアがウクライナで完全に敗北することは安全保障の分野で複数の問題を生み出すことになるが、それ以外の状況はそれより酷いものとなると指摘した。

その際同氏は、ロシア・ウクライナ戦争を協議や「紛争の凍結」でもって解決するよう呼びかけることはどのようなものであれ看過できないと述べ、時期尚早に平和を押し付ける試みは、ロシアにより新たな戦争への「招待状」として受け止められることになると指摘した。

その上で同氏は、「プーチンとの間で何らかの妥協を達成しようとする試みは、どんなものであれウクライナの国家性の終了を意味してしまう。私たちにはそれがはっきりしている。そして、ウクライナ人だけが唯一の犠牲者となるわけではない」と発言した。

その他同氏は、現在の戦争は国際社会にとってターニングポイントとなるものであり、旧ソ連諸国に関する認識に地殻変動を引き起こすものだと指摘した。その際同氏は、ウクライナ人が現在戦場で力を示しており、ウクライナについての認識が変わってきていることがすでに見えていると述べた。

同氏は、「ロシアが打ち倒されたら、私たちは国際社会の地域全体への態度の歴史的変化の目撃者にようやくなることができるのだ。もしロシアが倒されなければ、プーチンの侵攻は正当化され、彼の体制全体が新たな息吹を得てしまうことになる。国際安全保障にとっての被害は甚大なものとなる。自発的に世界をさらに不安定化する必要があろうか?」と発言した。

なお、8月1、2日、東京では、プーチン政権後のロシアのあり方を話し合う、「ロシア後の自由な民族フォーラム」第7回会合が開催されている