ゼレンシキー宇大統領、ギリシャ首相と会談 穀物輸出問題やF16訓練につき協議
ウクライナのゼレンシキー大統領は21日、ギリシャを訪問し、同国のミツォタキス首相やサケラロプル大統領と会談した。
ゼレンシキー大統領は、ミツォタキス首相との記者会見時、ギリシャは戦闘機F16のウクライナ軍航空機操縦士の訓練に加わると発言した。大統領府が記者会見時の動画を公開した。
ゼレンシキー氏は、「ギリシャは私たちの操縦士のF16訓練に加わる」と発言した。また同氏は、ギリシャからウクライナのための「防衛面のサポート」があるとし、両国のチームが詳細を協議していると伝えた。
その他同氏は、ギリシャ側に戦場の状況、ロシアの攻撃、ウクライナが安全と領土一体性を回復する可能性、ウクライナの防衛面での必要について報告したと述べた。その際同氏は、「私は、この恐ろしい侵略の終了を早めることのできる具体的なものについて伝えた」と発言した。
加えて同氏は、黒海を通じた穀物輸送についても話したとし、「ウクライナは黒海に代替の穀物回廊を作った。それは機能し得る」と発言した。
同時に同氏は、同代替回廊の活動が安定するには、「空の盾」の強化が必要だとも指摘した。その際同氏は、「それは黒海地域にとって重要だ。特に私たちのオデーサ市にとってだ。もしあなた方が私たちを黒海海洋の防衛と防空システムに関して支援してくれれば、それはギリシャによる欧州全体の安全保障への歴史的貢献になるかもしれない」と強調した。そして同氏は、自身は複数の案を提案したと述べた。
また同氏は、ギリシャの企業がウクライナの穀物の輸送に加わる準備を示しているとし、ウクライナはそれをとても期待していると発言した。
その他同氏は、ミツォタキス首相と、オデーサ市の復興をはじめとする戦災被害を受けた町や地域への支援計画について協議したと報告した。その際同氏は、「特に、(ミツォタキス)首相は、ギリシャはオデーサの復興支援に集中するかもしれないと話していた」と伝えた。
ミツォタキス氏は、記者会見時、ギリシャはウクライナの復興へとオデーサに焦点を当てつつ、ロシアにより破壊された歴史的建築物の再建を中心に、復興に参加する準備があると発言した。
その際同氏は、「(ゼレンシキー)大統領、私が会談時に強調したように、ギリシャは、建築分野の大きな経験を生かして、あなた方の国の再建と復興の大きな努力に加わる」とし、デジタル化、保健、文化財保護に焦点を当てていると発言した。
加えて同氏は、キーウやその他の地域のもの同様、ギリシャ系住民が多く暮らしていたマリウポリに対する犯罪を誰も忘れることはないと強調し、「私たちは、あなた方の国で犯されたその戦争犯罪を非難する。それは、国際裁判所で裁かれねばならない」と発言した。
ゼレンシキー氏はまた、ギリシャはウクライナの安全保証に関するG7宣言に加わったと報告した。
写真:大統領府