ゼレンシキー宇大統領、フォンデアライエン欧州委員長と国内改革の進展につき協議
ウクライナのゼレンシキー大統領は22日、訪問先のアテネにて、欧州連合(EU)のフォンデアライエン欧州委員会委員長と会談し、ウクライナのEU加盟の道における進展や今後の対ウクライナ支援につき協議を行った。
フォンデアライエン欧州委員長がソーシャルメディア「X」アカウントで報告した。
フォンデアライエン氏は、「ゼレンシキー大統領との生産的な会談を行った。私たちは、ウクライナのEU加盟の道における進展や、ロシアの侵略に対峙する上での私たちの継続する支援につき協議した。私たちは、ウクライナの穀物を世界市場に届け、経済支援を提供するために一緒に作業を続けていく」と書き込んだ。
また、ウクライナ大統領府広報室も、同会談につき発表した。発表によれば、双方は、欧州委員会がウクライナに提示している7つの課題の進展状況と今後の方策について評価した。
ゼレンシキー大統領は、「欧州委員会の勧告履行において最大限の結果を達成することを目指している。私たちは、10月の拡大パッケージの一環における報告書で肯定的な評価が得られることと、EU加盟国が2023年にウクライナとEU加盟に関する協議を開始する決定を下すことを期待している」と発言した。
またゼレンシキー氏は、ウクライナの農産品の輸出・輸送の正常化に向けた努力につき、フォンデアライエン氏に謝意を伝えた。
その際同氏は、「ウクライナとEUの間の完全な無関税貿易を回復し、ウクライナの農産物輸出をEUの統一市場全体へと自由にアクセスさせることが重要だ。私たちは、9月15日にウクライナの農産物のEUへのあらゆる制限が解除されることを期待している」と強調した。
両者はまた、黒海穀物イニシアティブをロシアが妨害して以降の代替となる穀物輸出ルートにつき詳細に協議を行った。双方は、安全面と財政面、農産物を運ぶ船舶のための保険の問題に特に注意を向けた。
ゼレンシキー氏は、フォンデアライエン氏に対して、EUからのさらなる15億ユーロの財政支援につき謝意を伝えた。さらに両者は、国際通貨基金(IMF)の対ウクライナ・プログラムのレビューについても協議した。
その他両者は、ウクライナの和平案「平和の公式」と「グローバル平和サミット」の準備について立場の調整を行った。
なお、ウクライナは2022年6月23日にEU加盟候補国地位を付与された。その際、ウクライナは、欧州委員会から7つの課題を提示されており、EU加盟交渉を始める前に、これらの課題を履行しなければならない。2023年秋、欧州委員会がウクライナによる同課題の履行状況を評価する報告書を発出する予定となっている。
トップ写真:フォンデアライエン欧州委員長(X)