クリミアのウクライナへの返還なくして長期的平和は不可能=リトアニア大統領
リトアニアのナウセーダ大統領は23日、第3回クリミア・プラットフォーム首脳会議出席時に、ロシアによるウクライナ領クリミアの占領は今も様々な分野で痛みを覚えさせていると発言した。
リトアニア大統領府広報室がキーウにて同会議に出席しているナウセーダ大統領の演説を公表した。
ナウセーダ大統領は、「全ては2014年2月のクリミアにて始まった。何であっても、全てはウクライナへのクリミア返還で終わらねばならない」と発言した。
同氏はまた、ロシアは今もシニカルに国際法に違反しており、違法占領下クリミアを利用し、そこでの権力を強化したがっていると発言した。その際同氏は、とりわけクリミアの住民、特に過去にもロシア帝国やソ連にて繰り返し民族浄化、ジェノサイド、弾圧を経験してきたクリミア・タタール人の困難な状況に注意を向けた。
さらに同氏は、2014年以降クリミアで行われている激しい植民地政策が住民の権利制限、迫害、資産の収用、独立団体の活動制限を含んでいるとし、クリミア住民はロシアの国籍を強制的に取得させられており、また、被占領地で違法選挙が計画されていると指摘した。
さらに同氏は、「ロシアはクリミアをウクライナに対する戦争において軍事基地として活発に利用している。ロシアの戦艦は、国際人道法に違反しながら、ユネスコの保護下にあるオデーサ市の一部や港湾インフラ、穀物庫、その他の民間施設をミサイルで攻撃している」と伝えた。
同氏は、ロシアは、クリミアを保持することで、今後も黒海における航行の自由を制限し、世界の食料安全保障に脅威をもたらし続けることができると指摘した。そして同氏は、そのため国際社会はロシアの違法行動に対して強力かつ団結した抵抗をし、侵略犯罪や多くの戦争犯罪における罪人の責任追求を確保しなければならないと強調した。
また同氏は、リトアニアは、今後もウクライナの独立、主権、領土一体性を支持し続け、最終的勝利まであらゆる支援を提供し続けると伝えた。
なお、23日、キーウでは、第3回クリミア・プラットフォーム首脳会議が開催されている。
写真:大統領府