ウクライナ国会、ロシア国内の民族運動との連携に向けた国政策定の委員会を設置

ウクライナ最高会議(国会)は24日、ロシア連邦の少数民族・先住民族の運動との連携に関する国政の基本を策定する臨時特別委員会を設置した。

関連決議第9617を最高会議議員264名が賛成した(過半数は226)。同決議により同委員会の委員長に就任するユルチシン最高会議野党会派「声党」議員がテレグラム・チャンネルで伝えた

ユルチシン氏は、ウクルインフォルムに対して、「ロシア連邦の奴隷となっている民族との私たちを団結させるものは何であろうか? それは、最終的な目標である。私たちも、一時的に存在するロシア領全体にいる何十の民族も、帝国の崩壊を願っているのだが、そこへと別々の道で進んでいるのである。私たちは、コーカサスとシベリア、タタールスタンやモルドヴィア、アディゲ、バシキールやその他占領されている民族の自由な代表者と努力を団結させたい。私たちは、ロシア連邦の分解を希求しており、自分たちの近くに民族性に基づき形成される国を多く有したいと思っている。この人々は、ロシア連邦からの独立を願っている。私たちには、類似の願望と同じ目標がある。それは、帝国崩壊の促進だ」とコメントした。

さらに同氏は、今回設置が決まった特別委員会は、いくつかの主要課題を有しているとし、1つ目は、ウクライナの勝利とロシアの今後の運命に関する国外パートナーたちの見方を変えることだと指摘した。同氏は、「西側諸国も中国もテロ国家が複数の国家へと完全崩壊することは望んでいないとの意見がある。そして、私は、それを将来に関する誤ったイメージだと思う。ロシアの崩壊のない1991年国境への到達は、不十分だ。なぜなら、それはロシア連邦を10年だか20年だか後でのさらなる侵攻へと再び準備させることになるにすぎないからだ。そして、またしても最初に死ぬことになるのは、民族的ロシア人ではなく、ブリヤート人やダゲスタン人、チュヴァシ人となるかもしれないのだ。ロシアと私たちあるいは近い隣国とのさらなる戦争…、世界はそれをまたしても望んでいるのだろうか?」と指摘した。

続けて同氏は、同委員会の2つ目の課題として、将来への基盤を築くことだと述べた。同氏は、ロシアは崩壊する運命にあり、そこには自由な国が登場するとの確信を表明した。それに関連して、同氏は、その将来の国との繋がりを確立し始めることが重要だと強調した。

さらに同氏は、委員会は複数の方向で活動していくとし、「例えば、私はすでに、ウクライナで現在暮らしている、(編集注:ロシアの)自由のない民族の代表者と複数会合を持った。私にとっては、降伏しないチェチェン人やイングーシ人などの世界観を深く理解するためには、直接コンタクトをとることが重要だ。私たちはすでに一緒に、将来の独立国家の共通ビジョンを描いている」と発言した。

また同氏は、ウクライナのメッセージを世界に届けることも大切だとし、「ロシアは単に負けるだけでなく、帝国として崩壊するのである。なぜなら、同国は1991年に完全には崩壊しなかったのだから」とし、欧州評議会議員総会や欧州安全保障協力機構(OSCE)議員総会でメッセージを伝えていく意向を示した。

これに先立ち、8月1、2日、ロシア連邦のプーチン政権後における同国の分離独立を目指す勢力「ロシア後の自由な民族フォーラム」の第7回会合が、東京の衆議院第一会館で開催されていた。同会合の結論文書として、ロシアの脱植民地化と脱帝国化、並びに北方領土問題即時解決を目指す「東京宣言」が採択されている。