ドミトロー・クレーバ・ウクライナ外相
ハンガリー側とは、不信を取り除くために話さなければならない
ドミトロー・クレーバ外相は、ウクルインフォルムへの短時間インタビューの際に、1月29日のザカルパッチャ州でのシーヤールトー・ペーテル・ハンガリー外相との6時間の会談がウクライナと両国関係にとってどのようなメリットをもたらしたのかを説明した。
聞き手:テチャーナ・コフティチ(ウジホロド)
私たちは、実質、2022年2月から接触していなかった
ザカルパッチャでのシーヤールトー・ペーテル氏との会談は、ウクライナにとってどんなメリットがありますか?
私とペーテルは、12月のブリュッセルでの短い会談を例外とすれば、2022年から会っていませんでした。2022年2月から2023年12月の間、実質的には、接触がありませんでした。そのため、今回の会談は、非常に適時のもので、当然、有益でした。私は、可能な限り最大のものを今日得ることができたと思っています。第一に、ペーテルは、何も悪いことを言いませんでした(笑)。
言う可能性はあった、ということですね?
言う可能性はありましたね。強調したいのは、彼が領土一体性に関して、ハンガリーはウクライナの領土一体性を認め、尊重していると正しく強調したことです。
今日重要だったことは何でしょうか?(編集注:このインタビューは、1月29日のウクライナ西部ウジホロドでの両外相会談後の夜に行われた。)
第一に、私たちは、互いの意向に関する懸念を率直に話し合いました。互いに全てを説明し合いました。様々な事情で、ハンガリー人には私たちに対する不信感があり、私たちには彼らに対する不信感があります。それは理解できることです。そして、私たちが今日3人でこれら全てを話し合ったのは(編集注:両国外相の他、イェルマーク宇大統領府長官も出席)、思うに、非常に重要です。私たちは、3時間近く3人で話をし、主に3つの議題を議論しました。
1つ目は、わかります。ハンガリー少数民族の権利ですね。
そう、当然です。2つ目は戦争について。私たちはプーチンの行動論理についてや、彼らと協議テーブルに着く意味がどうしてないのかについてたくさん話しました。シーヤールトー氏は、ハンガリー人がロシア人となぜ会っているのか、彼らは平和への道をどう見ているのかについて説明しました。そして、3つ目は、オルバーン氏(ハンガリー首相)とゼレンシキー氏の会談です。その会談はどういうものがあり得るか、そのような会談の結果はどういうものがあり得るかなどです。
ハンガリー側とは、不信を取り除くために話さなければならない
少数民族に関しては、現時点で、全ての問題が話し合われたのでしょうか?
私がずっと懸念していたのは、ハンガリー側からずっと「ハンガリー少数民族に全ての権利を戻せ」というフレーズが聞こえていたことでした。私は今日、同僚(編集注:シーヤールトー外相)に、何を戻すべきかについての完全なリストを受け取ることができるかと尋ねました。11項目のリストが伝えられました(編集注:記者会見時、シーヤールトー外相は、ハンガリー側は11項目からなるリストを作成したと発表。同リストには、2015年まであったハンガリー少数民族の全ての権利を戻すためにウクライナ国内法や条例で変更しなければならない項目が掲載されているという)。その内の大半は、非常に特殊な教育上の話で、その内の多くは根本的障害というよりも、ハンガリー少数民族に関する不公正だと彼らが考えているために生じるウクライナに対する不信感に基づいています。私の経験からすると、ハンガリー人とは話すべきです。不信感を取り除くためにも。なぜなら、そうすれば、障害は思っていたよりもはるかに少ないことがわかるからです。大切なことは、その目的のために、あらゆる懸念を丁寧に解明する特別委員会が作られたことです。
プーチンがウクライナを巡って歯を折ったなら、ハンガリーの過激派はなおさら
シーヤールトー氏との会談の前のハンガリーの過激主義者による「ウクライナが戦争で敗北したら、(ハンガリーが)ザカルパッチャ地方を統合」というスキャンダルな発言について会見で言及したのは、あなただけでした。
大切なことは、記者会見時に、ハンガリーの記者から、ハンガリーへの脅迫に関する質問があったことです(編集注:シーヤールトー外相がウクライナ訪問前に脅迫の書簡を受け取ったと発言していた)。しかし、ハンガリーの過激派政治家によるウクライナに対する脅迫の発言をどうして黙殺しなければならないのでしょうか。そのため、私は、もしプーチンがウクライナを巡って歯を巡って歯を折ったなら、ハンガリーの極右ならなおさらだと述べたのです。
駐ハンガリー・ウクライナ大使はいつ任命されますか? ハンガリー側はフェージル・シャンドル氏にアグレマンを夏には出していましたが、彼はまだ任命されないのですか?
本件の遅延は2つの理由から生じました。1つは、法的なもので、彼がウクライナ軍に務めていたからです(編集注:大使には文民のみが任命される)。もう1つは、私たちには、大使候補への特別調査手続きが再開されているためで、彼は今その調査の最終段階です。
写真:ウクルインフォルム、外務省