即時停戦は新たな危険な「凍結された紛争」を生み出す=ショルツ独首相

ドイツのショルツ首相は15日、真剣な協議や公正な平和の確立のないままに停戦しても、それは、さらなる凍結された紛争の登場という、皆にとって危険なシナリオをもたらすだけだと発言した。

ショルツ首相がスイスで開催されている「平和サミット」の際に発言した。ウクルインフォルムの特派員が伝えた。

ショルツ氏は、「ウクライナ以上に平和を求めている者はいない。しかし、平和は、戦争の不在を意味しない。真剣な協議のない、永続する公正な平和へのロードマップのない、いわゆる『新しい現実』のみを根拠にした即時停戦は、ロシアによる違法な領土奪取の合法化しかもたらさないのだ。それは結局のところ、新しい凍結された紛争の誕生をもたらすのであり、それは、ウクライナ、欧州、国際社会全体にとって不正義で、危険なシナリオだ」と発言した。

同氏はまた、和平協議の際には「ロシアの公正な安全保障上の懸念」に注意を向けるべきだと主張する人の存在を喚起しつつ、現在の戦争の前に、NATOとEUは、全ての国を交えた欧州の安全保障に関する広範な議論を行う準備があったことを喚起した。同氏は、その目的は、次の紛争を防ぐために、透明性を作り出し、信頼措置を構築することだったが、ロシアこそが外交ではなく戦争を選択したのだと指摘した。

そして同氏は、「安全保障上の懸念をどのように受け止めていたとしても、それは平和な隣国への侵略の正当化にはなり得ない」と強調した。

その上で同氏は、侵略の犠牲者であるウクライナこそが世界に対して和平計画を提示する勇気を持つのだと指摘しつつ、「確かに、ロシアの関与なしでウクライナに平和は達成できない。しかし、この瞬間にもロシアが自らの残酷で無慈悲な戦争を止めていないことは忘れてはならない」と発言した。

そして同氏は、ウクライナにとって2年強のロシアの侵略からの防衛は、自由かつ民主的な未来存亡をかけた戦いであるとし、なぜならロシアは独立と領土一体性を否定し、ウクライナの主権国家としての権利を否定しているからだと指摘した。

同氏は、この違法な戦争は欧州大陸に帝国主義を戻らせ、核の危険を戻らせたと述べた。そして、国際秩序全体がこの戦争にかかっているとし、なぜなら欧州における戦争は長期的な悪影響をもたらしており、それが地球上のその他の地域にも影響を及ぼしており、食料安全保障やエネルギー安全保障を危険にさらし、私たちの意識に核の惨劇を戻らせたのだからと説明した。さらに、同氏は、この戦争は世界経済の成長を遅らせ、最も脆弱な人々に悪影響を及ぼしたと指摘した。

なお、15、16日、スイスで第一回「グローバル平和サミット」が開催されている。