仏ルペン、極右勢力が議会戦で勝利したら、マクロンはウクライナに派兵できないと発言
フランスの極右政党「国民連合」を率いるルペン氏は、30日に行われるフランス下院選挙で同党が勝利した場合、同党のバルデラ党首が首相となり、マクロン仏大統領とねじれ状態で共存することになるが、両者の間のウクライナ支援に関する立場の違いは著しいものになるだろうと発言した。
仏ル・テレグラム紙が報じた。
ルペン氏は、「大統領にとって軍のトップとぴうのは名誉上の肩書きとなるだろう。なぜなら、首相こそが財布を握りしめるのだから」と発言した。
また同氏は、バルデラ氏はマクロン氏と喧嘩をするつもりはないが、バルデラはレッドラインを引いているとし、「ウクライナに関しては、大統領は軍をそこへ送ることはできないだろう」と指摘した。
また、バルデラ氏も、これに先立ちウクライナへの長射程ミサイルの供給に反対を表明していた。
ルペン氏は、議会で絶対多数を占めると予想しており、首相候補に疑いはないと述べた。そして同氏は、「憲法には全てがかなり明確に書かれている。首相に関しては、ジョルダン・バルデラはフランス国民から直接の正統性を得るわけで、大統領は自分に選択の余地があまりないことを理解している。さらに、マクロンは再選を目指していないので、彼の立場はあまり楽なものとはならないだろう」と予測した。
なお、6月30日と7月7日、フランスでは、2回にわたり繰り上げ議会選挙が実施される。多くの世論調査が示すように、「国民連合」が勝利すれば、フランスは異なる政治方針を持つ大統領と政府の共存するねじれ状態が生じることになる。
これに先立ち、アタル仏首相は、極右勢力が勝利した場合には、ウクライナ支援が減少することを警告していた。