「平和の公式はクリミア返還とクリミア・タタール人の権利回復の計画でもある」=ゼレンシキー宇大統領

ウクライナのゼレンシキー大統領は11日、和平イニシアティブ「平和の公式」は、クリミアの返還とクリミア・タタール人の権利、ウクライナ人の権利、クリミアに暮らす全ての人の権利の回復の計画でもあると発言した。

ゼレンシキー大統領がクリミア・タタール民族ジェノサイド犠牲者追悼碑の開設式典での演説で発言した。ウクライナ大統領府広報室が伝えた

ゼレンシキー氏は、クリミアは自由になるとし、それは共通の課題であり、その戦いにおいて世界中がウクライナと一緒にあると発言した。

また同氏は、「記憶が私たちを行動させるのだ。『平和の公式』計画は、クリミア返還計画でもある。クリミア・タタール民族の権利、ウクライナ人の権利、その地に暮らす人々皆の権利回復の計画だ」と強調した。

さらに同氏は、今回の追悼碑の場所がウクライナ人や同盟者たち、そして、「私たちのウクライナのクリミアのための戦いを私たちと共有する人皆、記憶の哲学、将来それを繰り返させないよう、過去の悲劇の記憶を共有する人皆、『クリミアはウクライナである』ということに疑いを持たない人皆」が集まる場所になることを期待していると発言した。

加えて同氏は、最近までこの場所には、チェキスト広場があったとし、「あなた方の国々では、彼らのひどい、全くもっておぞましい犯罪について知られているし、記憶されている。全体主義のソ連のシステムの犯罪と活動全般について。彼らがどのように人を殺し、拷問し、暴力的追放を行ったかが知られている」と出席者に対して発言した。

そして同氏は、「今日、ウクライナ史の最も恐ろしい悲劇の1つである、クリミア・タタール民族の悲劇の記憶を永遠のものとするために、私たちはあなた方とここに集まっている。ジェノサイドと追放だ。チェキストはじめ、ソ連政権が、1944年に行ったのは、悪、絶対的な悪である」と発言した。

その他同氏は、歴史は再び繰り返されているとし、クリミアは再び自由、尊厳、生存権、自らの大地で生きる権利をめぐる戦場となったとし、この追悼碑は「私たちが忘れないこと、許さないことのシンボルである」と強調した。

そして同氏は、「今日私たちは、クリミア・タタール人の悲劇を追悼するウクライナ国家追悼碑を開く。そして、いつか必ず、同様の碑が私たちの自由なクリミアにも現れることになる。これは不屈の精神のシンボルだ。これは私たちに、クリミア・タタール人の歴史における3つの悲劇的出来事を思い出させる。1783年のロシア帝国によるクリミアの併合、1944年の追放、2014年の占領だ。しかし、同時に、これは私たちに希望も与える。未来への希望だ」と発言した。

なお、11日、第4回クリミア・プラットフォーム首脳会議が開催される。

クリミア・プラットフォームとは、ウクライナが主導する、クリミア問題、クリミア人権問題、脱占領促進、欧州・国際安全保障強化を提起し続けることを目的国際調整メカニズムのこと。2021年に第1回クリミア・プラットフォーム首脳会議が開催され、首脳宣言が採択された。前回(第3回)は昨年8月23日にハイブリッド方式で開催された。今年の同首脳会議の開催は4回目となる。