ウクライナ外務省、チェコ大統領によるウクライナ被占領地に関する発言にコメント

ウクライナ外務省は24日、ロシアの対ウクライナ戦争の終結に関する暫定的決定は完全な平和を回復させないし、戦争を先送りにさせるだけだと表明した。

外務省が「ウクライナ領の一部を一時的に占領されたままにする可能性に関する発言について」と題するコメントを発出した

外務省は、国際的に認められた国境内でのウクライナの主権領土からのロシア占領軍の撤退は、ゼレンシキー宇大統領の「平和の公式」の必須項目の1つだと強調し、「平和の公式」の同項目と他の項目が、ウクライナだけでなく、欧州全体、世界にとっての包括的で公正で永続する平和を保証していくと説明した。

また外務省は、「私たちは、人の命、自由、共通の価値、ロシアの犯罪における正義、国際平和・安全の回復に関しては、中途半端な解決というのはあり得ないことを強調する。その文脈で、一時的解決策は、完全な平和を回復させず、戦争を先延ばしにするだけである」と指摘した。

その上で同省は、全ての平和を愛し、国連憲章と人命の価値を尊重する国々の利益の下に、「平和の公式」実現のために努力を結集するよう呼びかけた。

また同省は、「私たちは、ロシアを公正な平和、ウクライナ領解放、国際法尊重へと向かわせるべく、ロシアに対する圧力を一緒に強めねばならない。それは私たちが共通の努力で実現可能な現実的なシナリオである」と主張した。

これに先立ち、パヴェル・チェコ大統領が米ニューヨークタイムズへのインタビューにおいて、ウクライナは自らの被占領地を奪還する展望について「現実的であるべきだ」と述べ、領土の一部がロシアの支配下に一時的に残り得ることを受け入れるべきだなどと発言していた。

写真:マリヤ・コヴァリチューク