ウクライナ政権幹部、ロシアとの協議は一切行っていないと説明
ウクライナのイェルマーク大統領府長官は4日、ウクライナはロシアとの間で協議を一切行っていないと強調した。
イェルマーク大統領府長官がテレビ番組出演時に複数の報道機関がウクライナとロシアがエネルギー施設攻撃を止めるための協議を行っていると報道したことにコメントした。
イェルマーク氏は、「報道されているその協議を、あたかも『ウクライナ・ロシア』協議だとするのは、全くもって事実ではない。今ある事実は、私たちがテーマ別会議を行ったということだ。最初の会議は、エネルギー安全保障だった。それはオンラインで行われたが、カタールが共同議長国だった。そして、その会議が生じた時、私たちは、(編集注:10項目からなる)『平和の公式』のその項目(編集注:エネルギー安全保障)に関する原則を確認した。非常に多くの国が参加した」と発言した。
記者から、その会議にロシアからの代表団は出席したかと質問されると、イェルマーク氏は、「いやいや、そのテーマ別会議は全てロシア抜きだ」と強調した。
その際同氏は、「様々な大陸からの多くの国が参加した。そして、それ(編集注:テーマ別会議)が終わったら、私たちは原則を確認している。その後、私たちは、今日、例えば、カタールないし、他の国が、ウクライナとの個別の合意と、例えば、ロシアとの個別の合意を通じて、その合意を履行する準備があるのなら、お願いします、と話したのだ。それは、食料安全保障の状況と同じだ。トルコとの間ではもう穀物回廊が生じたことがある。(編集注:穀物回廊は)1年間存在した。2つの合意があった。1つは『トルコ・国連・ウクライナ』間のもの。もう1つは『トルコ・国連・ロシア』のものだった。私たちは、『あなたに準備があるなら、お願いします』と述べたのだ。私たちにとって大切だったのは、会議が開かれて、皆が原則を確認することだった。もし、その後に誰かに準備があり、その枠内で会議で達成されたことを実現する準備があるのなら、やってください、というわけだ。私が現在把握していることは、今のところ誰のところにも何の合意もない、ということだ(編集注:おそらくエネルギー施設攻撃停止に関する合意のこと)。もしそのような合意が生じたら、ウクライナはそれを検討する準備がある。なぜなら、それはウクライナの『平和の公式』に記載されている原則に完全に合致するからだ。それら全ての話は生じており、思うに、おそらく、それらはテーマ別会議の後の対応であるが、しかし、私が確実に言えることは、ウクライナはロシアを一切の協議を行なっていないということだ」と強調した。
さらに記者から、ウクライナはパートナー国にロシア領の特定の施設への攻撃を控えるよう要求されたか、と質問されると、イェルマーク氏は、「こう言おう。誰も私たちに何も要求しなかったが、当然ながら、私たちは、例えば、カタール、ないし他の国の仲介での、そのような2つの合意が生じたら、国々がエネルギー安全保障に関することを、支持することを知っている。私は、国々はそれを支持するだろうと思っている」と発言した。
加えて同氏は、諸国がそれを支持するのは、「ロシアとの間にある何かが彼らを懸念させているからではなく、何よりも、彼らが、エネルギーシステムが恒常的な攻撃を受けない、ということが私たちにとっても重要だということを理解するから」だと説明した。
これに先立ち、複数の報道機関が、ウクライナとロシアがあたかも相互にエネルギー施設への攻撃を停止することに向けた協議を行なっていると報道していた。