対露穀物・肥料制裁など存在しない=ベーアボック独外相

ドイツのベーアボック外相は26日、プーチンやクレムリンは、和平実現の願望について嘘をつき続けており、彼らの意向を真摯だと思ってはいけないと発言した。

ベーアボック外相がベルリンでの記者会見時に発言した。ウクルインフォルムの特派員が伝えた。

ベーアボック氏は、米国が交渉の仲介役を担おうとしていることを肯定的に評価し、なぜなら交渉は常に重要であり肯定的だからだと発言した。

しかし、同氏は、「同時に自分を騙してはいけないし、何よりロシアに視力を奪わせてはならない。停戦が毎回毎回、譲歩と新たな要求と結びつけられるのであれば、それは対話の状況ではない」と発言した。

また同氏は、カナダでのG7外相会合の際には、米国を含む、全ての外相がそれを明確にしていたと指摘した。

そして同氏は、ウクライナへの大規模攻撃が続いていることは、プーチンが「戦場における事実を創出」しようとしていることを示していると強調した。

同氏は加えて、「特に、黒海とウクライナの穀物に関しては、プーチンは世界で最も貧しい人々には一切の関心を示すことがなく、他方で、世界の最も貧しい人々の問題と挑戦を繰り返しもてあそんできた」と喚起した。

そして同氏は、過去3年間、ロシアは、嘘や戦争プロパガンダは言うに問わず、偽りのナラティブもまたたゆまず推し進めてきたと指摘した。その際同氏は、「ロシアが言うような、穀物や肥料に対する制裁など存在しないのだ。そのような制裁は過去3年間なかった。ロシアは、世界における穀物と肥料の最大の輸出国の1つであり、それは貿易が完全に可能であることを示している」と強調した上で、国連事務総長が技術的問題の解決手段の模索の努力をしていたが、ロシアは繰り返しその提案を拒否してきたことを指摘した。

同氏はその上で、「私たちは再び、追加条件なく完全停戦に同意するよう、ウクライナの人々に対する残忍な攻撃を停止するよう要請する」と発言した。

これに先立ち、25日、ホワイトハウスは、23〜25日にサウジアラビア首都リビアで開催された米宇協議と米露協議の結果となる2つの声明を公開していた。

その後クレムリンは、黒海航行安全の合意は、ロシアに対する制限の一部の解除の後にのみ発効すると発表していた。

欧州連合(EU)のヒッパー報道官は26日、EUの対露制裁の解除ないし変更の主要条件の1つは、ウクライナ領からロシア軍を全軍撤退させることだと表明していた