クリミアで露占領当局が先住民代議機関幹部を拘束 クリミア・プラットフォーム首脳会談参加者
4日朝、被占領下ウクライナ領クリミアにて、先住民クリミア・タタール民族の代議機関「メジュリス」の副代表を務めるナリマン・ジェリャル氏の自宅に、ロシア占領機関当局が家宅捜索を行い、ジェリャル氏本人を拘束した。
市民記者ネットワーク「クリミアの連帯」がフェイスブック・アカウントで伝えた。
同ネットワークによれば、家宅捜索が行われたのは、シンフェローポリ地区ペルヴォマイシケ村のナリマン・ジェリャル氏自宅。その際、ジェリャル氏本人が拘束されたという。
クリミアの連帯はさらに、4日、同村クリミア・タタール系住民のアジズ・アフテモフ氏が拘束、同じく4日未明、イェウパトリヤ市では、シェヴケト・ウセイノフ氏が家宅捜索の後に拘束されたと伝えた。
市民団体「クリミア人権保護グループ」によれば、3日7時には、シンフェローポリ市内にて、クリミア・タタール系住民のエリダル・オダマノフ氏も拘束されており、その後の行方は判明していないという。また、同団体は、4日には、アサン・アフテモフ氏も拘束されているとのこと。
4日、ウクライナ外務省は、この被占領下クリミアにおける9月3、4日の違法襲撃・家宅捜索・5名(オダマノフ、アフテモフ、アフテモフ、ウセイノフ、ジェリャル)の拘束に強く抗議するコメントを発出した。
外務省は、「私たちは、このメジュリス幹部に対する懲罰的襲撃を、8月23日のクリミア・プラットフォーム立ち上げ首脳会談への参加への罰であり、ロシア連邦による、クリミア・タタール人代表者への脅迫と同民族の一時的被占領下クリミアからの追放を目的としたさらなる弾圧行為だとみなしている」と伝えた。
さらに外務省は、ロシア連邦は占領国歌として国際法に従って、一時的占領下クリミア半島の住民に対する政治的弾圧を速やかに停止することが義務付けられていると喚起した。またコメントには、2014年3月27日の国連総会決議第68/262「ウクライナの領土一体性」と2016〜2020年に毎年採択されている国連総会決議「クリミア自治共和国・セヴァストーポリ市(ウクライナ)における人権状況」、及び国際司法裁判所(ICJ)による「ウクライナ対ロシア連邦」事件上の予防措置施行命令を完全な形で履行しなければならないことが喚起されている。
外務省は、ロシアに対して、今回拘束した5名と、その他違法に拘束する全てのウクライナ国民の速やかな解放を要求している他、国際社会に対して、占領国ロシアへの圧力強化を要請している。