トランスニストリア住民のプーチン氏への「軍展開」呼びかけ文記載の「5月2日付特報」新聞が事前印刷
30日、ウクライナ軍南部作戦司令部「ピウデン(南)」とモルドバのニュースサイト「ニュースメーカー」が伝えた。
ピウデンは、「破壊工作の準備に関する情報を入手した。2022年付5月2日付となっている『トランスニストリア』新聞の1部であり、あたかもトランスニストリアの住民がプーチンに対して、ウクライナ軍の侵攻から守るよう要請しているかのような公式な呼びかけが書かれている」と伝えた。
ニュースメーカーが掲載した、5月2日付「特報」の紙面の写しには、地元住民のプーチン露大統領への「公式要請」とされる文を見ることができる。そこで「住民」は、トランスニストリアへの「ロシア軍の展開」を要請し、「この5月の祝日にトランスニストリア人に降りかかった血塗られたテロ」を報告している。
なお、報道にて、新聞「トランスニストリア」のカラショフ編集長は、その紙面は偽物であると指摘し、編集部は類似の特報紙面を用意していないと伝えた。カラショフ氏は、「今日土曜日の紙面が出たところで、次の号は5月5日に出る。追加的特報は一切刷っていない」と発言した。
これに先立ち、ウクライナ軍参謀本部は4月26日、ロシアによる占領下にあるモルドバ領トランスニストリアに駐留するロシア軍部隊が完全戦闘体制に移行したと伝えていた。
また、25日、トランスニストリア「共和国」の「首都」ティラスポリの「安全保障省」庁舎施設内にて、爆発が発生したと伝えられていた。被害者は出ていないという。
26日、同「共和国」のマヤク町近くにて、テレビ塔が爆破された壊されたと報じられていた。
同「共和国」のいわゆる「首長」であるクラスノセリスキー氏は、パルカニ村の軍事基地へも「テロ」があったと発言。
26日、サンドゥ・モルドバ大統領は、トランスニストリア地域で起きた事件に関連して、高等安全保障会議会合を開催していた。
ウクライナのゼレンシキー大統領は26日、同国の軍は被占領下モルドバ領トランスニストリア地方に駐留するロシア軍の戦力を把握しており、恐れていないと発言している。