ウクライナ東部でのロシアの渡河作戦失敗は最大規模の損失=米紙
15日、ニューヨークタイムズ紙が分析記事を掲載した。
オープンソースに基づいた評価によれば、先週のロシアがルハンシク州ビロホリウカ近郊で失敗した渡河作戦では、400名以上のロシア軍人が死亡あるいは負傷したという。
同紙は、5月11日、ロシアの司令部はルビージュネ近郊のウクライナ軍を包囲するために、第41諸兵科連合軍第74自動車化狙撃旅団の軍人約550人をビロホリウカのシヴェルシキー・ドネツ川での渡河へと向かわせていたと指摘。しかし、写真からは、ウクライナの火砲により、ロシアの複数の渡河設備と大量の軍事機材が破壊されているのがわかる。
これにつき、戦争研究所(ISW)は、同地点での戦闘によりロシア軍人485名が死亡あるいは負傷、80台以上の機材が破壊されたと指摘している。
ニューヨークタイムズは、ロシア政権が厳しくコントロールしている情報空間にも今回の大被害について情報が入り込んでいることがわかってきていると指摘している。例えば、親露軍事ブロガーたちが戦場でのロシアの失敗について話し始めているとし、その内の何名かは無能なロシア軍幹部の批判を抑え切れていないという。
シヴェルシキー・ドネツ川のロシアの損害の評価が正確であれば、それは戦争を通じての最も大規模な死者の出た戦いの一つとなるとある。これに際して、同紙は、500名以上が乗船していたミサイル巡洋艦「モスクワ」の撃沈時の被害についても喚起している。
なお、ウクライナでは、2月24日からロシアによる全面的侵略を受けている。現在ロシア軍は東部に戦力を集中させて侵攻を継続し、ウクライナ側がこれに対して防衛戦を展開している。また、ウクライナ側は、ハルキウ市から北方のロシアとの国境方面へ向けて反攻を続けている。