汚職対策局、ユルチェンコ与党議員捜査情報を一部公開
NABUがウェブサイトに動画を掲載した。
NABUは、「最高会議議員の権限使用によって違法報酬を受け取るという汚職スキームの捜査の一環で、NABUと特別汚職対策検察(SAP)は、現最高会議議員の容疑に関する伝達案を検事総長に提出した。しかしながら、2020年9月15日、書簡には返答が得られておらず、犯罪参加者全員の責任を問うことができなくなっている」と書かれている。
動画では、産業企業代表者に扮するNABU捜査官と犯罪スキーム参加者のやりとりが記録されている(編集注:NABUにはおとり捜査を行う権限がある)。やりとりでは、最高会議議員が必要な法的基盤を作るための改正法案提出に1万3000ドル、その後の最高会議関連委員会所属議員の買収に20万ドルの違法報酬を仲介人を通じて提供するよう要請している。
NABUは、捜査にて同最高会議議員へ容疑を伝達するための証拠は集まっているが、(イリーナ・ヴェネジクトヴァ)検事総長の署名がなければならないと伝えた。本件につき、NABU捜査官は、事前アポイントを取った上で、9月10日に検事総局を訪れたが、同日のNABU幹部と検事総局幹部の会合後、検事総局幹部が、最高会議議員の刑事犯罪実施の可能性について統一裁判前捜査登録に登録するだけの根拠が十分ではないと伝達したと説明した。更に同日21時ごろに、(ヴェネジクトヴァ)検事総長、(ウフラヴァ)NABU第一副長官らが参加する会議が開かれたが、その結果も、裁判前捜査登録に本件登録決定は採択されなかったと伝えた。
同時に、NABUは、9月10日、同最高会議議員の補佐官に対しては容疑を伝達。また、検事総長に対しては、最高会議議員本人に対する容疑案が送付されたとのこと。
これに先立ち、イリーナ・ヴェネジクトヴァ検事総長は、最高会議議場にて、NABUからオレクサンドル・ユルチェンコ最高会議議員に対する容疑文への署名を求められる書簡を受け取ったが、証拠が不十分だったと発言していた。
また、9月13日には、ヘオ・レロス最高会議議員が、NABUがユルチェンコ議員補佐官を収賄容疑で拘束したと伝えていた。その際レロス氏は、NABUは、ヴェネジクトヴァ検事総長がユルチェンコ議員への制裁を妨害しているとして検事総長を非難していると発言していた。