イランによる裏付けのないウクライナ機撃墜発表は信用しない=ウクライナ外務省
9日、ウクライナ外務省がイラン外務省の発表に関するコメントを発表した。
ウクライナ外務省は、イラン外務省がウクライナ国際航空旅客機PS752便撃墜に関するコメントに注意を向け、「航空機事件捜査の国際的経験に基づいた客観的な忠告に注意を向ける代わりに、イランは、ウクライナ側を非建設的であるとして無責任に非難した」と強調した。
外務省は、イラン側は2回の協議の際に事件原因の説明を提供したと述べながら印象操作を行なっていると指摘し、「その原因は、イランが国際法規範に従って実施すべきであった技術捜査によって公式に確認されるべきだったものであったし、事件発生日から14か月以上経った今年の3月になってはじめて公開された最終報告書の中でも確認されるべきであったものだ。イランは、人的過失を唯一正しい原因と主張している。加えて、もしその過失が実際に致命的であったとしても、原因と事件に至った出来事の連鎖は分析されていない。そのことは、ウクライナ側に正義の怒りと失望を覚えさせざるを得ない」と強調した。
外務省は、「ウクライナは、イランとの間で綿密かつ建設的な協力を行う準備がある。今年2月にイランに渡された技術捜査結果の最終報告案に出された90ページ強のコメントが、その証拠である」と指摘した。
外務省は同時に、そのウクライナのコメントは考慮されなかったと述べた。
その上で、コメントには、「ウクライナは、PS752便撃墜原因案につき現実的な証拠による裏付けのないものはいかなる発表であれ信用しない」と書かれている。
また外務省は、ウクライナ側は同事件につき10名の人物が追訴されたことを報道で知ったとし、「イランは、多くの問い合わせがあったにもかかわらず、名前も、その人物の官職も、性別すらも、定められたメカニズムを通じてウクライナに報告することをしなかった」と指摘した。
同時に外務省は、最も重要なことは、イランが事件遺族に支払いを行わなわなければならないことだと強調した。
これに先立ち、4月6日、イラン検察が2020年1月のウクライナ国際航空旅客機撃墜事件に関与したとして、政権関係者10名を起訴したと報じられていた。
PS752便撃墜事件とは、2020年1月8日、イラン首都テヘランのイマーム・ホメイニ空港を離陸した後、キーウ(キエフ)に隣接するボリスピリ空港へ向かっていたウクライナ国際航空のボーイング737が撃墜された事件のこと。同機には、乗客・乗員計176名が搭乗。ウクライナ国民11名を含む、その全員が死亡している。
イランは、1月11日にウクライナ航空機を誤射で撃墜したことを認める発表を行なっている。
写真:AA