米国、ウクライナ国境周辺の露軍兵力7000人増加と発表 露による「侵攻の口実作り」を警告
米ホワイトハウスの高官がワシントンでの電話記者会見時に発言した。ウクルインフォルムの特派員が伝えた。
同高官は、「昨日、ロシア政権は、部隊をウクライナ国境から撤退させていると発表した。この発表は、ここ(米国)や世界中で多くの注意を集めたが、しかしながら、私たちは今それが嘘だったことを知っている」と発言した。
同氏は、事実を見ると、米国は現在、「過去数日間、ロシアはウクライナ国境の自国軍プレゼンスをさらに7000人増やしている」と指摘した。さらに、過去24時間にも部隊の到着が確認されたという。
また同氏は、ロシアは外交的連携の準備があると述べたが「しかし、私たちが今見ている兆候は全て、ロシアは公では協議を提案したり、緊張緩和を発表したりしながら、こっそりと戦争のための動員をしていることを示すものである」と強調した。
さらに同氏は、米国は、ロシアがウクライナ侵攻のための口実作りをしようとしていることを示すシグナルを受け取り続けていると発言した。「侵攻のための口実」は、被占領地域における挑発行為から、北大西洋条約機構(NATO)による「ロシア領への侵攻意図を持っている」と主張する「作戦実施」への非難まで、様々な形があり得ると指摘した。
同氏は、「私たちは、今後数日間、ロシアのメディアにおけるさらに多くの嘘の発表が出ると予想している」とし、国際社会に対して、そのような発表は一切真に受けないよう警告した。
また同氏は、米国と同盟国は、エスカレーション予防のために外交的努力をしているが、同時に、ロシアによるウクライナに対するどのような更なる侵略に対しても、断固として対応する準備ができていると強調した。
なお、16日、ストルテンベルグNATO事務総長は、ロシアはウクライナ国境付近の地域から軍を撤退させると発表しているが、実際には周辺のロシア軍兵力はむしろ増えていると発言していた。
また、ウクライナのゼレンシキー大統領は同日、ウクライナ国境と東部の被占領地との間のコンタクト・ラインの状況はコントロール下にあるとしつつ、同時に、ロシア軍の撤退は今のところ観察されていないと発言していた。
写真:ホワイトハウス