ショルツ独首相、2月にゼレンシキー宇大統領にNATO加盟断念を要請していた=米報道
2日、米ウォール・ストリート・ジャーナルが報じた。
報道には、「(注:2月のロシアによる全面侵攻前)ショルツ氏は、モスクワとキーウ(キエフ)の間の情勢解決のために最後の一押しを行った。2月19日、ミュンヘンにて、彼はゼレンシキー氏に対して、ウクライナはNATO願望を取り下げ、西側とロシアの間の広域欧州安全保障の一部として中立を宣言すべきだと伝えたのだ」と書かれている。
ショルツ氏は、「共にウクライナのために安全を保証する」バイデン米大統領とプーチン露大統領がその合意に署名するという考えを有していたという。
しかし、これに対して、ゼレンシキー大統領は、プーチンを信頼してはいけない、大半のウクライナ国民がNATO加盟を望んでいると回答。これにより、ドイツの幹部は、平和のチャンスが消えていくことを心配したのだという。
なお、その後の2月24日、ロシアは、ウクライナに対して全面的侵略を開始した。
3月29日、トルコのイスタンブルにて、ウクライナとロシアの和平協議が開催された。ウクライナは、同国の安全を保証する国際合意へ国連安保理常任理事国などの国々が署名し、合意が各国国会で批准されることや、15年間のクリミア問題の協議実施を提案。協議後、ウクライナ代表団の一人のアラハミヤ最高会議議員は、安全保証合意はウクライナのための安全を具体的に保証するきちんと機能するメカニズムでなければならず、保証国に、北大西洋条約機構(NATO)条約第5条に似た、義務の生じるもので、しかし、侵略があった際には、3日以内に協議を実施し、支援を提供するというものだとし、軍、武器、空の封鎖などの軍事支援の形を取り得るものだ、と説明した。
さらに同氏は、国連安全保障理事会常任理国、英国、中国、ロシア、米国、フランス、トルコ、ドイツ、カナダ、イタリア、ポーランド、イスラエルを潜在的安全保証国と見ていると発言している。
写真:dpa