ゼレンシキー宇大統領、協議中の安全保証合意文書に言及
ゼレンシキー大統領がキーウ(キエフ)を訪問したペトコフ・ブルガリア首相との共同記者会見時に発言した。
ゼレンシキー氏は、「機能しないブダペスト覚書の後では、私は、大統領として、またウクライナ憲法保証者として、私たちの国家のために『パッチワークの傘』は求めていない。時には、実際にはあなたを助けることのない『友人・パートナー』からなる大きなチームを抱くより、何も抱かずに、一対一で敵と対峙する方が良いときもある。今回、私たちは、その未来の文書に非常に真剣に向き合っており、特に、どんな場面でも、どんな将来の侵略の時も、私たちのことを決して裏切らないパートナー国の一群に対して、非常に均衡を持って向き合っている。そして、未来にはあらゆることが起き得るのだ」と発言した。
同氏はまた、現在ウクライナにとって重要なことは、ロシアとの現在の戦争を解決することであり、領土一体性を回復することであるものの、ウクライナはすでに、今の隣国とは容易でないことは理解しているのであり、だからこそ「根源的な合意、安全の保証国が背負い得る根源的な義務」について話し合われているのだと指摘した。
同時に同氏は、将来の合意の中身について詳しい話はせず、「私は、2つ、3つ、4つの言葉で特徴を話すことはできない。なぜなら、その合意とその保証は、単なる言葉よりももっと中身があり、もっと強力だからだ。誰が何と言おうが、その言葉の向こうには人の命があるのだ。そのため、私たちは、その合意には根源的姿勢で向かっている」と強調した。
その上で同氏は、ウクライナの将来の安全保証に関する合意文書案は準備されており、将来の安全保証国の安全保証担当補佐官や首脳の代表者たちがオンラインやオフラインで集まり、議論をしていることを認めた。
同氏は、「そして、私は、まもなく全て準備ができ、必ず私たちの社会も、記者も、皆が将来の合意の詳細を見ることになると思っている。私たちを信じて欲しい。私たちは、私たちの国家のため、私たちの祖国、私たちの人々のために最大限のものを得たいと思っている。最大限のものだ。そして、その保証が現れる。保証は、統一されたものもあれば、個別のもある。それは間違いなく様々なものとなる。しかし、それでも私は、考え抜かれ、十分に話し合われ、様々な首脳のサポートにより固められた結果を、待って欲しいと思っている」と発言した。
これに先立ち、3月29日、トルコのイスタンブルにて、ウクライナとロシアの和平協議が開催された。ウクライナ側は、通称「イスタンブル・コミュニケ」と呼ばれる、同国の将来の安全の保証に関するウクライナ側の立場を記した文書をロシア側に提示し、また15年間のクリミア問題の協議実施を提案している。
協議後、ウクライナ代表団の一人のアラハミヤ最高会議議員は、安全保証合意はウクライナのための安全を具体的に保証するきちんと機能するメカニズムでなければならず、保証国に、北大西洋条約機構(NATO)条約第5条に似た、義務の生じるもので、しかし、侵略があった際には、3日以内に協議を実施し、支援を提供するというものだとし、軍、武器、空の封鎖などの軍事支援の形を取り得るものだ、と説明した。
さらに同氏は、国連安全保障理事会常任理国、英国、中国、ロシア、米国、フランス、トルコ、ドイツ、カナダ、イタリア、ポーランド、イスラエルを潜在的安全保証国と見ていると発言していた。