ゼレンシキー宇大統領、英国に防空システム、オランダに戦車、ノルウェーに防空ミサイル提供を要請
ゼレンシキー大統領が英国統合遠征軍(JEF)の首脳会合参加者に対するオンライン呼びかけの際に発言した。
ゼレンシキー氏は、「私たちの防衛戦力が成功すれば成功するほど、ロシアの侵略はより早く失敗する。今は冬であり、今が実は決定的な時である。今は、決定を採択できる時であり、その結果により、春に私たちは、領土一体性を回復し、ロシアの報復主義がウクライナの国境、ひいては欧州の境界線を二度と越えることがないように保証することができるのだ」と発言した。
同氏はまた、スナク英首相に対して、ウクライナへの防空システム提供可能性を高め、またパートナー国による関連の決定を加速させる支援をするよう要請した。
同氏は、「ウクライナのための100%の空の盾は、ロシアの侵略に対する最善の行動の1つである。その行動も今こそ必要だ」と強調した。
ゼレンシキー氏はまた、ノルウェーのストーレ首相に対して、ウクライナに対する防衛支援政策を、来年も少なくとも今年の水準で、続けるよう要請した。同氏は、すでにウクライナに提供されている防空ミサイル「ナサムス(NASAMS)」は、防衛を著しく強めたが、そのようなシステムやミサイルの供給がより多く必要だと発言した。
さらに同氏は、オランダのオロンフレン国防相に対しては、レオパルド2のような戦車をはじめとする現代的装甲車両や対艦ミサイル「ハープーン」やその他火砲システムを要請し、スウェーデンのクリステルソン首相には、ウクライナの火力強化と防空能力強化として、対空システム「RBS-98」や航空機「グリペン」の提供を要請した。
加えて同氏は、ラトビア、リトアニア、エストニアに対しては防衛支援の継続を呼びかけ、フィンランドに対しては、122ミリ・152ミリ口径の砲弾、電子戦機材、対無人機システム、多連装ロケットシステムの提供を要請した。
そして同氏は、「今日は、東方の典礼における聖ミコライの日であるが、ロシアのテロリストは、ウクライナの子供たちに新たな攻撃を『プレゼント』した。私はあなた方に、私たちの国を今、明確な決定で支えるようお願いする。ウクライナの戦場に今あるダイナミズムを維持するだけでなく、私たちの防衛戦力が勝利への動きを早められるものを全て提供する決定だ。なぜなら、私たちの勝利は、あなた方一人一人の勝利でもあり、それは欧州の勝利、あなた方の民の勝利、全世界が待ち望んでいる勝利なのだ」と発言した。
同氏はさらに、ウクライナの子供たちは、聖ミコライへの手紙の中に、防空システムや武器、勝利をお願いしていると伝えた上で、改めてパートナー諸国に対して行動することを呼びかけた。
これに先立ち、19日未明、ロシア軍は、ウクライナに対して34機の自爆型無人機で攻撃を行っていた。