「ショルツ独首相がバイデン米大統領にウクライナへの戦車提供で条件を出したことはない」=独政府
ヘーベシュトライト報道官が記者会見時に発言した。ウクルインフォルムの特派員が伝えた。
ヘーベシュトライト氏は、「何かが行われたら、他のことが行い得る、というような要求は一度も出されていない。私には、ドイツ首相が米国大統領に何らかの条件を突きつけるというのは想像し難い」と発言した。同氏の発言は、ショルツ独首相がバイデン米大統領に対して、独製主力戦車「レオパルト2」のウクライナへの提供は、米国も主力戦車「エイブラムス」の提供に関する決定を採択した場合とする、という条件を出したとの報道を受けたもの。
同氏はまた、ドイツ政府は昨年春からウクライナへの軍事支援提供に関しては、複数の原則を遵守しているとし、それは「全力でウクライナを支援する」「北大西洋条約機構(NATO)やドイツが戦争に引き込まれないようにする」「支援は、米国をはじめ、パートナー国との緊密な調整の下で実施する」「パートナーと一緒に行動する。決して単独行動はしない」というものだと喚起した。その際同氏は、これまでウクライナの軍事支援が質的に上げられた時は、毎回、その行動は同盟国、何より米国、と調整した上で行われてきた、と指摘した。
ヘーベシュトライト氏はまた、ドイツは2022年2月末から現在までに、携帯式防空ミサイルシステム「スティンガー」から、防空システム「パトリオット」までの道を通ってきたと指摘し、各種武器に対して一義的な可否が決まっているのではなく、常に状況を評価しなければいけないのだと発言した。その上で、同氏は、2週間前に歩兵戦闘車「マルダー」の提供が決められたことが喚起され、「あらゆる次のステップには時間を要する」と発言した。
その他同氏は、ポーランド政府から、同国の保有するレオパルトをウクライナに提供する許可を求める公式な要請のドイツ政府への接到の情報は有していないと発言した。
なお同日、ピストリウス独国防相は、第8回ウクライナ防衛問題コンタクトグループ(ラムシュタイン会議)会合にて、ウクライナへ西側戦車を供給する決定は採択されなかったと発言した。その際同氏は、戦車レオパルトの提供についてコンセンサスに達する可能性は排除しないとも発言し、肯定的な決定が採択された場合に迅速に対応できるように備えておかねばならないと補足した。