ピストリウス独国防相、停戦後にウクライナへドイツ軍を派遣する可能性を排除せず
ピストリウス国防相が独ラジオ「ドイチュラントフンク」出演時に本件について発言した。
ピストリウス氏は同番組内で、同じ社民党のショルツ独首相による、現時点ではウクライナへのどのような形のドイツ軍派遣も話すことすらあり得ないとの意見に同意した上で、同時に、実質的には、平和維持ミッションへの参加の可能性を排除しなかった。
同出演時、ピストリウス氏は、「1つは、現在の地上軍(編集注:派遣)をドイツが排除しているということだ。それは公正だ」と発言した。同時に同氏は、「もう1つは、戦闘終了後に何があるかだ」と述べ、現在公の場で議論されていることは時期尚早だと発言した。その際、キャスターから、フランスと英国がウクライナの平和維持ミッションへの自国の参加についてオープンに議論している中、ドイツは、同盟国に加わる準備があるかどうかを示していないと指摘したところ、ピストリウス氏は、それは専門家が現在そのテーマのことを考えていないとか、議論していないということは意味しないとコメントした。
ピストリウス氏は、「私は、それを行っていないとは言っていない。私は、私たちはそれについて話していないと言ったのだ。考えるというのは全く異なることだ。あらゆること、あらゆるあり得る状況について考えなければいけないし、あらゆるあり得るシナリオに向けて最善の形で準備しておかねばならない。しかし、それは、私たちがそのシナリオを明らかにするとか、今それらについて憶測させたいということではない…。私たちは準備しているし、私たちはシナリオを実現するが、しかし、それは自らのカードをテーブルに置くことのないよう、機密で行うのだ…。それ(編集注:カードを示すこと)は誰の役にも立たない」と発言した。
その際同氏は、停戦に至った「時」、そもそも停戦に至る「なら」、NATOなり、EUなり、誰かなりが、軍事手段を用いて平和維持方策をそこで行うことが想定されるし、その時、誰がそこに参加していくかについての議論が始まるだろうと発言した。そして同氏は、それはマンデートの性格、規模、そして対立する双方の同意を含む、要件に左右されていくことになると指摘した。
そして同氏は、現在、真剣な議論はあり得ないとしつつ、しかし、時が来たら、それについて話さなければならなくなるとし、そしてそれは「関わっている人々の頭越しに」行われるのではないとも指摘した。
また、ベーアボック独外相が今週のNATO外相級会合の際に、ロシア・ウクライナ戦争の停戦合意達成後にドイツは平和維持努力に加わる準備があるかとの質問に直接の回答をしなかったことにつき、ピストリウス氏は、ベーアボック氏は「非常に一般的な」表現をしたのだと指摘した。
なお、多くの報道機関は、その際のベーアボック氏の返答をもって、そのような準備があることを認めたと解釈している。
これに先立ち、オランダのブレーケルマンス国防相は、欧州の国々でウクライナへと軍を派遣する議論が始まっているとしつつ、そのことについて今話すのは時期尚早だと発言していた。