
EUはウクライナに年間少なくとも200万弾の砲弾を供与していく予定=カラス上級代表
カラス外務・安全保障政策担当上級代表がブリュッセルでの「白書」発表の記者会見時に発言した。ウクルインフォルムの特派員が伝えた。
カラス氏は、「白書では、ウクライナ支援イニシアティブに盛り込まれた提案が考慮に入れられている。これには、年間少なくとも200万弾といった、より多くの弾薬や、防空装備、無人機、ウクライナの旅団に対する訓練や装備など、ウクライナに対する更なる支援が含まれている。また、ウクライナの防衛産業への直接支援や宇宙サービスへのアクセス拡大も含まれている。欧州委員会が提案する新たな手段SAFE(編集注:1500億ユーロの融資制度)は、この野心的な目標の達成に役立つだろう」と述べた。
また同氏は、ロシア経済が現在完全に戦時体制に切り替わっていることを喚起し、ロシアの連邦予算の40%が軍事目的に割り当てられており、それが教育、医療、社会政策に使われる予算を超えていると指摘した。
そして同氏は、「ウクライナの和平交渉が進行中であろうとなかろうと、その(ロシアの)投資は長期的なものであり、長期的な侵略計画のためのものである。ウクライナは将来の侵攻を回避するために武装する必要がある。そのためには、それを実現できるようにするための長期的な計画が必要だ」と発言した。
同氏はその他、欧州委員会が同日発表した白書は、差し迫った脅威への対処、長期的な欧州の防衛力の構築のためのEUの計画だと指摘した。そして同氏は、白書は、欧州各国がNATOの能力開発の目標値に掲げられている防衛能力を達成するのに役立つはずだ」と指摘した。
同氏はその際、「私たちは戦争を遂行するためにそれを行っているのではなく、最悪の事態に備え、欧州の平和を守り、力が権利を意味することのない世界で強くなるために行動しているのだ」と強調した。
写真:EU