ウクライナ語機能保障法が採択された際の支持集会参加者の反応
賛成したのは278名(採択に必要な過半数は226)。ウクルインフォルムの記者が伝えた。
同法案採択後、最高会議議員は、国歌を斉唱した。
ウクライナ憲法は、第10条にてウクライナ語を国家語と定めている。同時に、憲法第92条にて、「言語使用の規則」は法律でのみ定めることが規定されている。今回採択された法律は、国家語であるウクライナ語の各分野における機能を定め、保障することが目的となっている。
動画:最高会議建物前で法律採択を喜ぶ人々
今回採択された法律により、国家語基準委員会が設立される他、国家語保護全権ポストが設置される。
国家語基準委員会の9名の委員は、閣僚会議(内閣)が任命する。同委員会の権限には、ウクライナ国籍取得に必要な国家語(ウクライナ語)運用レベル要件の確定や、国家語運用レベルを問う試験の運営が含まれる。
国家語保護全権も内閣に任命・解任権がある。同全権は、クレームを審議し、今回採択された法律の定める消費者サービス分野における国家語使用の要件の違反に関して、対象者に罰金を科す権限を有す。
同法によって、国家語を運用し、職務執行時に使用することが義務付けられるのは、大統領、最高会議議長・副議長、首相、閣僚、各国家機関の長、国営企業の長、最高会議議員、全てのランクの国家公務員、国家警察幹部・職員、裁判官、弁護士・行政書士、教育機関の幹部、教育者、国営・公営医療機関従事者が対象である。
また同法は、ウクライナ語習得促進国家プログラムを適用する。同プログラムは閣僚会議が確定する。また、国家レベルで、成人のためのウクライナ語講座の組織が行われる。国家は、ウクライナ国民が国家語を自由に習得するための機会を確保しなければいけない。
ウクライナ語の運用がウクライナ国籍取得における義務要件となる。その際、政府が定めるウクライナ語運用レベルを問う試験を受けることが必須となる。試験結果によりウクライナ語運用レベルを示す証明書が発行される。試験は、国家委員会が欧州で外国語の学習者の習得状況を示すために用いられているガイドライン「ヨーロッパ言語共通参照枠(CEFR)」の勧告を考慮して作成する。
ウクライナ軍に従軍する外国籍軍人のうち、国家勲章を受けている者につき、その人物へのウクライナ国籍付与が国益に適うとみなされる場合は、その人物は国家語運用レベルの証明なく国籍取得が可能となる。他方で、その人物は、国籍取得後1年以内にウクライナ語が運用できるようになることが求められる。
同法は、私生活コミュニケーションと宗教儀式には適用されない。
他方で、ウクライナ国内での文化・芸術行事、娯楽行事、劇場・祭典の開催の際は、アナウンス等でウクライナ語が用いられなければならない。発表者がウクライナ語を運用できない人物の場合、運営者はウクライナ語への通訳を確保しなければならない。
同法は、文化、テレビ・ラジオ放送、報道関連印刷物、消費者サービス等において、国家語適用に関する個別の特殊性を定めている。
この法律の大半の規範は、官報「ウクライナの声」掲載による交付後2か月以内に発効する。同時に、特定のケースには、発効時期より遅いものもある。たとえば、印刷報道媒体の分野では、移行期間が30か月に設定されている。
これまでの報道では、最高会議は、2018年10月4日に法案「ウクライナ語の国家語しての機能保障」を第一読解で採択していた。その後、2月28日に第二読解投票に向けた審議が始まり、計2000以上の修正が審議された。