検事総長、汚職対策検察長の辞任を承諾
21日、ホロドニツィキー氏がフェイスブック・アカウントに関連文書を公開した。
ヴェネジクトヴァ検事総長が署名した命令文には、「2020年8月21日、本人の希望による辞職表明提出を受け、ナザール・ホロドニツィキー氏の検事総局・検察諸機関の検事副総長職・SAP長職からの解任を命じる」と書かれている。
ホロドニツィキー氏は、同投稿にて、辞任を決めた理由を明かしていないが、自身がSAP長を務めていた際のSAPの活動は効果的で結果を多く出したと書き込んだ。
同氏は、自身のこれまでの課題や、SAP職員と国家汚職対策局(NABU)捜査官に対して自身はオープンであったことを回顧しつつ、同時にSAPとNABUはその活動開始当初から「検事総長側から、機関として全く受け入れられてこなかった」と指摘した。
ホロドニツィキー氏は、「(編集注:検事総局のある)リズニツィカ通りから私たちのところには、『トップは一つ』というアプローチの行使や、『中心』へ屈服させようという試みが行われてきた」と書き込んだ。
その上で、活動上の問題点として、SAPとNABUに複数の権限が与えられていないことや、検事総局による両汚職対策機関の活動コントロールの試みを指摘した。
加えて同氏は、自身がSAP長を務めた期間、検事総長には4名の人物が就いていたが、いずれの検事総長も「SAPに報告させる体制を作りたがっていた」と指摘した。
同時に、これまでNABUとSAPが捜査し、高等反汚職裁判所に追訴した案件が184件(対象者492名)あり、NABUは217名に容疑を伝達したことを喚起した。また、反汚職裁判所は、既に7件、10名に対して、禁固刑を含めた実刑判決を言い渡していると伝えた。
更に同氏は、SAPとNABUに対しては、これまで5回、買収の試みが行われたが、5回とも賄賂を渡そうとした人物は拘束され、刑事責任が追及されていると指摘した。
なお、ナザール・ホロドニツィキー氏は、2015年11月30日にヴィクトル・ショーキン(当時)検事総長が、選考委員会の勧告を根拠に新設されたSAPの長に任命していた。