
ウィトコフ米特使、トランプ氏にウクライナ4州をロシアに明け渡すことを提案=報道
11日、ロイター通信が関係者の発言をもとに報じた。
報道によれば、ウィトコフ氏は、「ウクライナでの停戦を最も早く達成する方法は、2022年にロシアが違法に併合しようとしたウクライナの東部4州の所有権をロシアに明け渡すという戦略を指示すること」だと主張したという。
この提案は、ウィトコフ氏が以前も物議を醸すことで知られるタッカー・カールソン氏との先月のインタビューの際にも主張していたもの。しかし、それはウクライナ政権や米国や欧州の政権関係者から繰り返し強く否定されてきた。
一方で、ケロッグ米国ウクライナ担当特使は、トランプ氏との会談でウィトコフ氏の提案に反対したという。ケロッグ氏は、ウクライナは、被占領地領土の条件について話し合う準備はあるものの、それらの地域をロシアに一方的に引き渡すことには決して同意しないと述べたという。その際、会合は、トランプ氏の決断が下されることはなく終了したという。
ロイターは、ドミトリエフ氏がワシントンを訪れた際に、ウィトコフ氏が彼を自宅での夕食にロシア大使と共に招待し、それがホワイトハウスと国務省に警戒心を抱かせたと伝えている。米国では、ロシア当局者が諜報技術を持っている可能性があるため、公職者が私邸にロシア高官を招くことは通常避ける慣習があるという。そのため、同夕食は取りやめとなり、代わりにホワイトハウスで会食が行われたという。
同時に、複数の共和党議員がウィトコフ氏の明らかな親露的立場に懸念を抱き、ウォルツ国家安全保障担当大統領補佐官とルビオ国務長官に問い合わせたとも伝えられている。
なお、11日、ウィトコフ氏は、サンクトペテルブルクでロシアの独裁者プーチン氏と会談した。クレムリンは、同会談につき「ウクライナ情勢解決の複数の側面」やプーチン氏とトランプ米大統領のあり得る会談について協議したと発表している。
写真:ブルームバーグ