被占領下ドンバスの露国家院選挙の投票参加希望者は少ない=人権保護団体
15日、市民団体「東部人権保護グループ」がフェイスブック・アカウントで伝えた。
報告には、「違法武装集団『LPR』『DPR』では、ロシア連邦の投票所へと渡航したがっている者が不足している。(中略)そのため、ロシア連邦占領政権とクレムリンの政治技術専門家は、最後の手段を取ろうとしている」と書かれている。
同団体は、関係者情報として、ドンバス被占領地住民がロシア連邦国家院選挙の投票を行うために露ロストフ州へ移送願いを申し出る申請期間を、占領政権が9月10日から9月16日まで延長したことを伝えた。
「このような決定が採択されたのは、ロシア連邦占領政権が、(編集注:ドンバス被占領地住民に対して)発行されたロシア連邦国民身分証明書の数の75%の投票率(数では約40万〜45万人)を確保せよ、というクレムリンの命令を履行できずにいることと関係している」と説明されている。
また報告には、9月13日には、「遠隔電子投票」プラットフォームの登録期間が終了すると書かれており、登録者の数は13万9000人未満であると指摘されており、「つまり、違法武装集団『LPR』『DPR』は、約30万人の住民を移送しなければならない。それは実質的に非現実的である」とコメントされている。
なお、9月17〜19日に投票が行われるロシア国家院選挙の投票日を前に、ドネツィク・ルハンシク両州一部地域(CADLO ※被占領地)では、現地からの投票数を増やすために大規模なロシア国籍の付与が行われていることが伝えられている。
リュドミラ・デニーソヴァ・ウクライナ最高会議(国会)人権問題全権は、CADLO住民は、同選挙への投票が強制されているとし、露国籍証明書を受け取った住民に対して露占領政権が罰金や解雇などによる圧力をかけていると発言していた。
その他、ウクライナ最高会議国会は8日、露国家院選挙を前に、一時的被占領下ウクライナ領でも違法に選挙準備をしていること、またドネツィク・ルハンシク両州一部被占領地域のウクライナ国民も投票に参加できるようにしていることから、同選挙の合法性を認めないよう国際社会に呼びかける決議を採択している。