ウクライナの被占領地問題には英国の北アイルランドにおける経験が適用できる=宇大使
ウクルインフォルム
プリスタイコ駐英ウクライナ大使は、ウクライナは一時的被占領下にあるドネツィク・ルハンシク両州とクリミアに関して、英国による長引いた武力紛争後に行われた北アイルランド再統合の経験を適用することができると考えている。
プリスタイコ大使がウクライナ国営テレビ局「家」へのインタビュー時に発言した。
プリスタイコ氏は、ウクライナは英国の経験を利用することができるが、北アイルランドのような宗教的対立はウクライナの被占領地には存在しないために、利用可能なのは一部だと発言した。
また同氏は、「北アイルランド再統合は成功しているが、そのプロセスはまだ終わっていない。そして、英国が欧州連合(EU)を離脱した後、状況は複雑化している。(中略)それでも、いくつかのものは適用可能だ。しかし、英国は、実質的に連邦的な連合王国だが、ウクライナは単一国家である。いくつかの経験には関心があるが、全てではない」と発言した。
さらに同氏は、ドネツィク・ルハンシク両州一部地域(CADLO)の事例においてはミンスク諸合意がすでに結果をもたらしていないと発言した。同氏は、ミンスク諸合意は1年間で履行することを予定されていたものであり、その後の7年間で政治的状況が変わっていることを指摘し、その上で、「確かに、それは侵略を止める重要な段階だった。しかし、もう次の段階に移行しなければならない。私たちは、明らかに私たちの状況にそぐわない決定を押し付けられて、その決定で何年も脅迫されるような、政治的大騒ぎの犠牲者のままであってはならない」と主張した。
北アイルランド紛争とは、1960年代から1998年まで続いたものであり、英国中央政権と地元のナショナリズム団体の間で同地のステータスに関する見解対立が原因となっていた。とりわけ、同紛争では、宗教要因が大きいことが特徴であった。同紛争では、双方で民間人1857名を含む計3524名が死亡している。