ウクライナ外務省、露国民拘束への露外務省の注目の遅れに「驚き」を表明
20日、オレフ・ニコレンコ・ウクライナ外務省報道官がウクルインフォルムにコメントした。
ニコレンコ報道官は、10月13日にルハンシク州ゾロテー付近にて、ロシア連邦武装集団の一員が拘束されたことを喚起した。また、ニコレンコ氏は、同人物が人道的地雷除去作業を装って、勢力引き離し地点域内のウクライナ軍の元配置地点を写真や動画で記録していたと指摘し、同戦闘員の行動は、攻撃、諜報、破壊工作活動を禁止する2020年7月22日付停戦体制強化を目的とした追加方策に著しく違反するものだったと強調した。
その上で、ニコレンコ氏は、「ロシア外務省がアンドレイ・コシャク氏の境遇につき、(編集注:拘束から)6日目にして関心を示したことに、私たちは驚いている。ロシアが関心を持っているのはただ一つ。国籍証明書を付与して、戦いに参加させることだけだということだ。冷笑的に人を利用し、その後は忘れてしまうのだ」と発言した。
同氏はさらに、ロシアが他国の国民(編集注:ウクライナ東部のウクライナ国民)だけでなく、露国籍を有する人物に対してさえ、特別に遅い反応を示したことは、ロシアの人々に対する姿勢を示すものだと指摘した。また、同氏は、ロシアが7年にわたり、ウクライナ東部で人々を殺し、拷問し、最近では、新型コロナウイルス感染症のための支援を受ける機会すら剥奪し、コンタクト・ライン通過検問地点の移動を妨害していると指摘した。
またニコレンコ氏は、ロシアによりロシア国籍を押し付けられたドネツィク・ルハンシク両州被占領地の住民が、ロシアが彼らに興味を持っていないこと、ロシアの約束は実現されないことに気付くことへの期待を表明した。
さらに同氏は、「ロシアが、ロシア国内で見せているだけの同様の情熱をもって領事関係協定を遵守し、ウクライナ国民拘束の際の報告機関義務の体系的違反を止め、今後はウクライナ国民に領事の障害のないアクセスを与えることを期待している」と発言した。
これに先立ち、10月13日、ウクライナ東部の統一作戦作戦圏にてウクライナ側がロシア国籍を所有する戦闘員を拘束した。これを受け、17日、ロシア占領軍の戦闘員は、ドネツィク州被占領下ホルリウカに滞在する欧州安全保障協力機構(OSCE)ウクライナ特別監視団(SMM)要員の移動を「拘束された戦闘員の解放まで」認めないと発言。また、ロシア連邦外務省は19日、ザハロヴァ報道官のコメントとして、ウクライナにてロシア国民のアレクセイ・コシャク氏が拘束されたことを認め、ウクライナ側に対して、コシャク氏の所在を伝え、ロシア領事のアクセスを保障するよう要請している。