ロシアは「5つの前線」で攻撃を同時展開している=ウクライナ国防相
レズニコウ国防相が訪問中の米ワシントンで発言した。ウクルインフォルムの特派員が伝えた。
レズニコウ氏は、「それは確かにハイブリッド侵略だ」とし、ロシアは少なくとも5つの方向性で同時に攻撃を展開していると発言した。
同氏によれば、1つ目は、欧州に対するエネルギーを用いた脅迫であり、新天然ガスパイプライン「ノルド・ストリーム2」の認証を要求したり、同時にウクライナにはあたかも天然ガスを欧州各国に輸送することができなくなると主張したりしながら行われているという。
2つ目は、ベラルーシと欧州連合(EU)加盟国の国境での移民危機を生み出していることだと説明された。同氏は、現在その人間を用いたハイブリッド攻撃は、リトアニアとポーランドというEUと北大西洋条約機構(NATO)の加盟国に対して行われていると指摘し、「彼ら(ロシア)は、移民危機の脅威をもって、実質的に、EUの一体性、NATO加盟国の一体性を試しているのだ」と発言した。
3つ目は要素は、混乱を生み出すための大規模な情報攻撃だという。レズニコウ氏は、「彼らの主な考えは、私たちの国や欧州の内部を不安定にすることだ」と指摘した。
同氏は、4つ目は、ウクライナ国境沿いの兵器・部隊の集結だとし、ロシアが達成した目的の一つは、危険と恐怖の感情を強めることだと指摘した。また同氏は、「戦術は非常にシンプルだ。ある場所で軍事演習を行い、武器、機材、人員を送る。演習が終わったら、人々は通常の配置地点に戻るが、機材や兵器は将来の潜在的展開のためにその場に残すのだ」と説明した。
レズニコウ氏は、5つ目の前線は外交分野であり、ロシアの外交官が言葉によって緊張を高めていると指摘した。同氏は、ロシア外務省はその目的で、例えば、ウクライナがあたかもノルマンディ・フォーマットの決定を履行していない、といったような言説を繰り返し、それを自らのその後の攻撃的行動を正当化する根拠にしようとしているのだと説明した。