ゼレンシキー大統領、年次教書演説で改革実現を強調
ウクルインフォルムの記者が伝えた。
ゼレンシキー大統領は、ウクライナは中東欧のITビジネスの中心になるとし、「私たちは、ビジネス界の全ての希望を考慮した独自のビジネスを築いている。そのために、私たちは『ジーヤ・シティ』を立ち上げており、それによりウクライナには中東欧で最も強力なITハブを作り出すことができる。ウクライナ国民や世界中のビジネスマンは、野心的なイノベーションやビジネスアイデアを素早く実現する機会を得られるようになる」と発言した。大統領は、「ジーヤ・シティ」を通じて、今後5年間で、IT市場約120億ドルと2倍になり、雇用も最大45万人に拡大するだろうとの予想を示した。
また、大統領は、官製オンラインプラットフォーム「ジーヤ」では、各種身分証明書や自動車保険、電子署名、デジタル納税者番号の提示や、税金・罰金のオンライン支払いが可能となっていることを喚起し、また居住地登録のオンラインでの変更なども可能だと説明した。
加えて大統領は、国外在住のウクライナ国民による二重国籍取得を可能とする法案を最高会議に提出すると発言した。大統領は、「米国やカナダ、欧州連合(EU)に暮らすウクライナ人にとって、多重国籍問題がどれだけ重要かはわかっている。今日、私は、関連法案を国会に提出する。私たちは、6500万人いる」と発言した。
その他大統領は、ウクライナのGDPは2021年に1900万米ドルを超えており、経済危機前の2008年や2013年を超えて、独立以降最大規模となっていると強調した。さらに、大統領は、2013年以降で、公債が初めて対GDP比で50%未満となると指摘した。
裁判改革については、ゼレンシキー大統領は、同改革はこれまでにも何度も開始されてきたが、今回は「初めて最後まで完遂される」と強調した。大統領は、裁判改革関連法を採択した国会議員や、改革実現に協力する裁判官、国際パートナーに謝意を伝えた。
さらに大統領は、ウクライナは、EUとの間に締結されている連合協定につき、「私たちの目的は、連合協定の履行である。政府の試算では、同連合における全てのウクライナの義務約60%が履行されている。その内の25%は今年履行されたものだ」と発言した。
また、米国との関係について、大統領は、ウクライナは米議会の主要2党からの支持を維持しており、2国関係は非常に高い水準に達していると強調した。また、大統領は、バイデン大統領との会談の際に採択された共同声明と、その後採択されたウクライナ・米国戦略的パートナーシップ憲章について喚起した。