ゼレンシキー大統領、リトアニア・ポーランド両大統領と共同声明発出 独立承認30周年記念し
ウクライナ大統領府広報室が公表した。
発表には、3首脳は、ポーランドとリトアニアがウクライナの独立を承認してから30年が経過したことを記念して実施されたと書かれている。
ゼレンシキー大統領は、「ポーランドとリトアニアが、私たちの独立を最初に認めた国の内の2国であることは偶然ではない。今日、ロシアが私たちの領土の一部であるクリミア半島を一時的に占領し、東部の戦争という困難な状況がある中で、あなた方はまたもウクライナを、私たちの主権、独立、領土一体性を最初に支持してくれている」と発言した。
3首脳は、3国間関係の状況・ダイナミズムを肯定的に評価した他、「リトアニア・ポーランド・ウクライナ旅団」をはじめとする、3者協力メカニズムの活動も肯定的に指摘した。
ポーランドとリトアニアの大統領は、ウクライナの欧州・欧州大西洋統合の方針を完全な支持を確認した。また、両大統領は、ウクライナの改革実施の進展、とりわけ、オリガルヒ(大富豪)構造との闘いや、欧州連合(EU)・北大西洋条約機構(NATO)加盟基準への接近に向けたゼレンシキー大統領の行動の重要性を指摘した。
ベラルーシ国境の情勢についても意見交換が行われ、3首脳は、移民危機はハイブリッド的かつ人為的な性格を帯びるものであり、断固とした調整された対応が必要だとの見方で一致した。
ゼレンシキー大統領は、ロシア軍部隊・兵器の国境沿いの集結に関連するウクライナ周辺の安全保障情勢につき報告した。また、3者は、平和的情勢解決プロセスを活性化させるためにウクライナが行っている行動や今後の計画について協議した。
ゼレンシキー大統領は、「今日、私たちの地域が安定と安全の地域になるよう、私たちはともに仕事をしている」と述べ、ナウセーダ大統領とドゥダ大統領に謝意を伝えた。
3者は、国際社会のロシア連邦に対する制裁圧力は、ウクライナの主権と領土一体性が完全に回復されるまで、維持されることが重要だとの意見で一致した。
また、3者は、ノルド・ストリーム2が地域・欧州全体にもたらしている安全保障上の脅威についても協議し、その地政学的プロジェクトに対抗するための努力を今後も調整していくことで合意した。
3者は、同電話会談の結果として、共同声明を採択した。
公表された共同声明には、ウクライナの独立をポーランドとリトアニアが認めてから30年が経過したことを記念し、3国大統領は、その独立承認は欧州の完全統一に向けた重要な出来事となったと指摘されている。
さらに3大統領は、ポーランド・リトアニア共和国時代や、ポーランドにおける「連帯」運動、リトアニアにおける「サユディス(改革運動)」、ウクライナにおける尊厳革命(ユーロマイダン)、ベラルーシの人たちの民主主義を巡る闘いにおいて培われた民主主義の伝統は、中・東欧の人々の自由、人権、民主主義への強い希求を示していると強調した。加えて、3者は、その頃から、真の戦略的パートナーシップ関係は、時代の挑戦に打ち勝って、強くなってきたのだと述べ、共通の価値と利益にもとづいた3国の戦略的パートナーシップのさらなる発展へのコミットメントを示した。
3者はまた、3国の「ルブリン・トライアングル」フォーマットにおけるものを含め、安全保障、防衛、経済、エネルギー等の広範な分野での協力のさらなる拡大へのコミットメントを確認した。
現在のベラルーシが計画し、作り出したリトアニア・ベラルーシ間・ポーランド・ベラルーシ間の国境における移民危機についても、3者は相互支持と連帯を示し、「このハイブリッド攻撃は欧州全体の安全保障に対する直接的脅威だ」と強調した。
3者は、ロシアの侵略の結果として、地域の安全保障情勢と安定が継続して悪化しており、ハイブリッドのものを含めて、脅威が増大しているとし、この脅威に対する強靭性を高めるために協力が不可欠だと主張した。
エネルギー面では、3者は、独露間天然ガスパイプライン・プロジェクト「ノルド・ストリーム2」への深い懸念を表明し、欧州のエネルギー安全保障の更なる強化へのコミットメントを確認した。また、エネルギーを地政学的武器として利用しているロシアによる欧州ガス市場の独占へと対抗するために共に行動する準備があると表明した。
また、3者は、ウクライナの、領海を含む、国際的に認められた国境内での主権、独立、領土一体性へのコミットメントを確認した。
最後に3者は、国際社会に対しては、ウクライナに対する侵略を続けるロシアに対して、制裁を強化するよう要請し、またロシアに対しては、ウクライナ国境と一時的占領地から自国軍部隊を撤退させることによって、情勢の沈静化を行うように呼びかけた。
写真:大統領府