ウクライナと英国はノルド・ストリーム２に反対＝クレーバ宇外相

ウクライナ外務省広報室が発表した。

発表によれば、クレーバ外相は、ウクライナ国境沿いとロシア・ウクライナ武力紛争圏における喫緊の治安情勢や、ロシアによる大規模な偽情報拡散やウクライナ国内情勢の不安定化につき報告した。

クレーバ氏は、「ロシア連邦はウクライナ国境と被占領地に１０万以上の部隊と大量の兵器を集結させている。ロシア政権は、自らの部隊の移動を説明することを拒んでおり、ロシアの高官はウクライナを破滅させると脅迫している。同時に、ロシアは、ノルマンディ・フォーマットや三者コンタクト・グループ（ＴＣＧ）における平和的情勢解決協議を進めることを妨害している。私たちは、パートナーたちと共に、ロシアを交渉のテーブルに戻すために作業をしている」と発言した。

トラス英外相は、英国によるウクライナの主権と領土一体性へのサポートが堅固で原則的な立場であることを確認した。また同外相は、ロシアの更なる侵攻を抑止するための包括的パッケージの作成・実現に向けた国際的努力に積極的に加わっていると伝えた。

両外相は、ウクライナの防衛能力強化のための行動、とりわけウクライナ海軍発展、ウクライナ軍人の専門的能力の向上、偽情報対策協力について詳細に協議した。

そのほか、両者は、エネルギー安全保障についても協議し、ウクライナと英国は独露間新ガスパイプライン「ノルド・ストリーム２」につき、同パイプラインはロシアの地政学的プロジェクトであり、ウクライナと欧州全体のエネルギー安全保障を弱体化させることを目的としているとし、両国は同パイプラインに反対することで同意した

クレーバ外相は、クリーンエネルギーや水素製造の分野をはじめ、エネルギー源の多様化にて英国と実質的な協力を始めることに関心があると表明した。

さらにクレーバ外相は、ウクライナ・英国の自由貿易圏のチャンスをできるだけ完全に利用することが重要であると強調した。

またクレーバ外相は、貿易発展に第３国を加える手段を提案した。

なお、クレーバ外相は、１２月８、９日ロンドンを訪問している。また、ゼレンシキー大統領は８日、英国がウクライナへ１０億ポンドの追加支援を供与すると発表した。

写真：外務省