露はウクライナに対し武装集団が紛争当事者であることを認めるよう要求し続けている=三者協議宇側参加者
8日、ドネツィク・ルハンシク両州一部地域出身者としてTCGウクライナ代表団に参加しているセルヒー・ハルマシュ氏が国営ロシア語テレビ局「家」出演時に発言した。
ハルマシュ氏は、「ロシアには(編集注:独仏宇露4国からなるロシア・ウクライナ紛争解決協議の場である)ノルマンディ・フォーマットの効果的な作業に対して、戦略的な関心は一切ない。なぜなら、ノルマンディ・フォーマットには、ドネツィク・ルハンシク両州一部地域(CADLO)がいないからだ(編集注:ロシア武装集団代表者が参加していないの意)。また、今日のTCG会合では、私たちは新しい傾向を目にした。ロシアは、今もまだ、私たちにCADLOの主体性を認めさせようとしている」と発言した。
同氏は、8日のTCG会合では、8時間にわたり、停戦合意の可能性について議論され、その際ウクライナは新しい停戦合意に向けて一切条件を付けなかったとしつつ、「しかし、ロシアとCADLOの代表者たちは、私たちに対してずっと条件を出し続けるのだ。その中心は、(武装集団の)主体化である。つまり、彼らは、私たちがCADLOを紛争の当事者と呼ぶことを求めているのだ」と説明した。
その他、同氏は、TCG会合では、しばしば相手側(ロシア代表団と武装集団代表者)は失礼な言動を示すことがよくあるが、ウクライナ側は外交的やりとりを維持していると指摘した。しかし、8日のTCG会合では、相手側は非常にデリケートな振る舞いをしていたという。ハルマシュ氏は、「まるで彼らは、誰かに観察されていると思っているかのようだった」とコメントした。
また同氏は、ウクライナ代表団は、TCG会合で可能なことは全て行っているとし、「私たちは国益の保護と平和のために行動している。それ以外のことについては、私たちの大統領が以前述べたように、ボールはモスクワにある。つまり、平和への鍵は、実際のところ、今もクレムリンにあるのだ」と説明した。
なお、TCGは、基本的に2週間に一度のペースで会合を開催している。TCGによる停戦などの決定は、ロシア、ウクライナ、OSCEにより採択される。武装集団代表者は、ロシアにより招待されることで同会合への出席が認められているが、TCGの正式参加者ではなく、投票権は有さない。
2014年以降、ロシア連邦は、ウクライナ東部の紛争の当事者はウクライナ政府と「ドネツィク・ルハンシクの政府(武装集団の意)」だと主張し続けている。これに対して、ウクライナやG7など国際社会の大半は、ロシアがウクライナ東部の紛争の当事者であり、同国は仲介者ではないと繰り返している。