「ノルド・ストリーム2は2022年上半期には稼働しない」=独エネルギー規制当局トップ

「ノルド・ストリーム2は2022年上半期には稼働しない」=独エネルギー規制当局トップ

ウクルインフォルム
ドイツのエネルギー規制機関である「連邦ネットワーク庁(BNetzA)」のヨヘン・ゴーマン長官は、独露間の新天然ガスパイプライン「ノルド・ストリーム2」は、2022年上半期には稼働しないだろうとする見方を示した。

16日、ゴーマン氏が記者会見時に発言した。ウクルインフォルムの特派員が伝えた

ゴーマン氏は、「上半期には(BNetzAの)決定は出ない」と発言し、プロジェクト事業会社である「ノルド・ストリーム2AG」社が規制要件を受けて、ドイツでの子会社設立を始めており、それにより同パイプラインの認証プロセスは一時的に停止していると説明した。

また同氏は、「停止とは、そのプロセスは関連文書が私たち(BNetzA)に確認のために提出されたら再開されるということである。その文書は今のところ私たちのところにない」と述べ、またその文書がいつ提出されるかを予想することは難しいと補足した。

同氏はさらに、その文書が同庁に届いたら、認証審議プロセスは再開されると述べ、その後本件は欧州委員会の審議に移ることになると説明した。そして、委員会でもまた「多くの時間」がかかると指摘し、そのため2022年上半期に決定がでることはないだろうと発言した。

なお、11月16日、ドイツの連邦ネットワーク庁(BNetzA)は、独露間新天然ガスパイプライン「ノルド・ストリーム2」の利用開始に必要な認証プロセスを一時的に停止したと発表していた。「ノルド・ストリーム2」は、今年9月に完工しているが、同パイプラインの利用開始にはBNetzAによる同パイプライン認証が必要となっている。

これに先立ち、フェルドゥーセン駐ウクライナ独大使は、独露間新天然ガスパイプライン「ノルド・ストリーム2」は、少なくともあと半年間は利用が開始されないだろうと発言していた

同天然ガスパイプラインは、ウクライナを迂回する形で、ロシアからドイツへとバルト海を通じて建設されたもの。露国営ガスプロム社などが出資者。

7月21日、米国とドイツは、「ノルド・ストリーム2」に関する合意を発表していた。同合意によれば、ロシアが同パイプラインをウクライナに対して武器として利用した場合には、ドイツが一国で対応する他、欧州連合(EU)に対して制裁を含めた効果的方策を採るよう要請することになる。しかし、同合意は、米国が同ガスパイプラインの完工を容認するものであるとして、米国内外にて批判が出ていた。

とりわけ、同合意につき、ウクライナとポーランドは、独露間ガスパイプライン「ノルド・ストリーム2」はウクライナや中欧全体に対する政治、軍事、エネルギー面の脅威を生み出すものであり、米独合意はそれを止める試みを拒否するものだとして批判している。

同時に、12月7日、ヌーランド米国務次官は、ロシアがウクライナへ更に侵攻した場合、独露間ガスパイプライン「ノルド・ストリーム2」が停止されることを期待していると発言していた


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